ついに感情が爆発した女性でしたが、ある行動をきっかけに、少しずつ信頼と理解が生まれていくことに──。
今回は筆者の知人から聞いた、思春期の子育てにまつわるエピソードをご紹介します。
スマホ依存の息子
中学2年生の息子が、スマホを片時も手放さなくなったときがありました。
食事中やお風呂中はもちろん、トイレに行くときさえもスマホを持ち込むほど。
何度注意しても、
「うるさい!」
「今、返信しないとダメだから」
と逆ギレされる始末。
親子の会話がすっかり減っただけでなく成績も下がり始め、このままではダメだと感じた私。
ある晩ついに感情が爆発してしまい、
「スマホ禁止!」
と怒鳴りつけてしまいました。
相談
そのまま、ふて寝しに自室に戻った息子の後ろ姿を見ながら『このまま親子関係が壊れたらどうしよう』と不安になった私。
翌日、担任の先生に相談すると、
「今は責めるより話を聞く姿勢が大事」
とアドバイスされました。
そこで、思いきって息子と久しぶりに2人で外食に出かけ、本音を聞いてみることにしたのです。
息子の悩み
最初はずっと黙っていましたが、
「返信が遅いとグループで無視される」
と少しずつ本音を漏らしてくれた息子。
誰にも言えなかった不安を抱えていたのだと知って、ようやく息子の気持ちに寄り添えました。
「少し返信を返さないからといって仲間外れにするような友達じゃないでしょう?」
「ちゃんと理解してくれる友達もいるはずだよ」
そう伝えると、ずっと人知れず悩んでいたことを打ち明けてほっとしたのか、息子はうなずきながら涙を浮かべていました。
対策した結果
その後、スマホ使用のルールを一緒に決め、21時以降はリビングに置くことに。
実際、すぐに返信がないことに文句を言ってくる友達もいたようですが、ほかの友達が庇ってくれたこともあり、特に問題はないそう。
今も時々ケンカはするものの、以前より息子との会話の時間もかなり増えました。
スマホとの付き合い方だけでなく、親として“信じて見守る”という大切な姿勢を学んだ出来事だったと感じています。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。