新しい家族が増える喜びは、何にも代えがたいものですよね。でもその一方で、両家の親との関係もより密接になり、新たな悩みが生まれることもあります。今回は、筆者の友人が義母との衝撃的なエピソードを聞かせてくれました。

孫フィーバーの裏にあった小さな違和感

待望の第一子を妊娠し、それが女の子だと分かったとき、誰よりも喜んでくれたのは義母でした。

義母にとっては男の子の孫が3人続いていたため、その喜びようはまさに「孫フィーバー」。
ベビー服の色から産院の選び方まで、あらゆることに口を出され、正直、私は少し疲弊していました。

そしてついにその矛先は、生まれてくる子の「名前」にまで及んだのです。

夫の機転で守り抜いた名前

義母は、自身の名前とその母親である義祖母の名前から1文字ずつ取った名前を、得意げに提案してきました。

私たちの子どもなのに、義母と義祖母の名前から字を取るなんて。
孫に対する愛情はありがたいものの、私は言いようのない嫌悪感を覚えてしまいました。

幸い、夫が「名前は自分たちで決めるから」とはっきり断ってくれて、ホッと胸を撫で下ろしたのですが……。

恐ろしい計画

無事に出産を終え、出生届の提出期限が迫る日、夫に急な仕事が入り役所に行けなくなってしまいました。

産褥期で入院中の私はもちろん動けません。
ほかに頼める人がいないか、どうしようかと途方に暮れていたそのとき、まるで計ったかのように義母が現れ「私が行ってきてあげる!」と申し出てくれました。

一瞬ためらいましたが、記入済みの書類を渡すだけだからさすがに大丈夫だろう……。そう思った私の油断が、命取りでした。

しばらくして、私の妹から「お義母さんが違う名前で出生届を出そうとしてる!」と衝撃の連絡が入ったのです。

自業自得が招いた皮肉な結末

市役所に勤務している妹は、偶然義母に遭遇して立ち話をしたそうです。
その時に、義母が手にしていた出生届の名前が、私が言っていたものと違うことに気づいて引き留めてくれたのでした。

報告を受けた夫は激怒!
私も心の底からぞっとしました。

この一件が決定打となり、夫の提案で私たちは義母と距離を置くことに。
あれほど会いたがっていた女の子の孫に、義母が会う機会は訪れませんでした。

自らの過ちが招いた、あまりにも皮肉な結末です。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。