筆者の話です。
母が同じ話を何度もするようになり、戸惑うことが増えました。
聞きながら、私も人に同じことをしていないかとハッとしたのです。

母が同じ話を繰り返すように

最近、母が同じ話を何度も繰り返すようになりました。
年を重ねていくと、少しずつ記憶が曖昧になるのは仕方のないことなのかもしれません。
「それ、この間も聞いたよ」と口に出しそうになるのですが、先に結末を言ってしまうと母は機嫌が悪くなるのです。

だから私は、毎回初めて聞くふりをして最後まで耳を傾けるようにしています。
最初は「聞いてあげよう」という気持ちでしたが、だんだん慣れてしまい、今では母が話し始めた時点でオチがわかるようになってきました。

母の話はほほえましい日常

近所の友人がきゅうりをたくさんくれたので、からし漬けにした話。
同居している弟がおかずを買ってきたけれど、口に合わなかった話。
さらに、スーパーで特売だった卵を4パックも買ったら冷蔵庫に入らなくなった話もありました。
どれも小さな日常の出来事ですが、私は5回目にもなり、空で言えるくらいになっていました。

母の表情や身ぶりまで同じで、思わず笑ってしまいそうになることもあります。
聞きながら、母と過ごす時間の中に、懐かしさと愛おしさを感じることもあるのです。