親からの教え、今になって実感
20代前半の頃、親から何度も言われていた「お金を大切にしなさい」という言葉。子供のころからお金の管理についてはしっかり教わってきたはずだったのに、その当時の私はその重要性を全く実感していませんでした。むしろ、何かと楽しみたい気持ちが強くて、親が言う節約よりも、自分の欲求を優先していました。ストレス発散や楽しいことを優先し、洋服やアクセサリー、流行りものを買っては自分を満たすことが「今を楽しむ方法」だと思い込んでいたのです。財布を気にせずお金を使って、後先考えずに楽しんでいた私は、親の忠告をすっかり無視していました。
若い時の言い訳、後悔の種に
「若いうちだから、今が楽しい時期だから」と言い訳しながら、次々と欲しいものを手に入れ、ついにはお金の大切さを実感することなく、浪費してしまったのです。その後、年齢を重ねると共に、次第にそのことを後悔し始めました。友人たちの結婚式や出産祝い、新居購入のための準備、そして自分の将来に向けた貯金……そんな状況が増えるたびに、あの頃のお金の使い方がいかに無駄だったのかを痛感するようになったのです。確かに、欲しいものはその瞬間だけ満足感を与えてくれましたが、長期的な計画なしにお金を使うことのリスクを、今となっては痛いほど理解しています。
親の教えを深く理解する
その時初めて、「お金を大切にしなさい」と言っていた親の言葉の深さを理解しました。親が伝えたかったのは単なる「節約」ではなく、将来への備えと、安心して生活できるようにお金を計画的に管理する大切さだったのです。無駄に使ってしまったお金がどれほど惜しかったか、後から悔やむ時間が増えてしまったことを反省しています。あの時、もっとお金を大切にしておけば、もっと自分に余裕が持てたのではないかと、今でも思うことがあります。
お金に対する意識の変化
今では少しずつですが貯金を始め、お金の使い方に計画性を持つようになりました。お金に対する考え方は、以前とは全く異なり、無駄に使うことへの慎重さが身についてきました。あの時の親の教えが、こんなにも大切なことだったのだと、身をもって学んだのです。そして今、若い頃にもっとお金を大切にしていれば、もっと余裕を持って生活できたのではないかと、ふと思うことがあります。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。