突然の雨
友人のS子は平日の9時から14時の時間帯でパート勤務をしています。
S子の息子は小学4年生、夏休みなどの長期休みは一人で留守番をしていました。
ある日のこと。
その日の天気予報は夕方から雨とのことだったので、S子は洗濯物を外に干したまま出勤しました。
15時までには家に帰れるし、大丈夫だよね。
ところが、予想外なことに13時過ぎから雨が降り出しました。
外は真っ暗、雨脚は強く、雷まで鳴っています。
S子は洗濯物を外に干してきたことを激しく後悔しました。
出勤前に頑張って干したのに……!
仕事中のため息子に電話も出来ず、勤務終了後、絶望的な気持ちで帰路につきました。
帰宅後、そんなS子を出迎えたのは全て取り込まれて部屋に置かれた洗濯物と、びしょびしょの息子でした。
まさかの光景
「もしかして洗濯物入れてくれたの?! お母さん何も言ってなかったのに?」
驚くS子に息子は、
「オレ、もう4年生だよ。それくらい自分で考えて出来るんだから!」
と得意そうに笑いました。
まだまだ幼いと思っていましたが、自分が濡れるのも構わず頑張って洗濯物を取り込んでくれたようです。
昨年までは、留守番をするのも寂しがってメソメソしていたのに。
息子の成長に感無量
S子は息子の濡れた頭をなでて、
「ありがとう。本当に助かったよ~。着替えてアイス食べよっか」
確かな成長を感じ、嬉しくなるのでした。
【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:田辺詩織
元医療事務、コールセンター勤務の経験を持つ在宅ワーカー。文学部出身で、文章の力で人々を励ましたいという思いからライターの道へ。自身の出産を機に、育児ブログを立ち上げ、その経験を生かして執筆活動を開始。義実家や夫、ママ友との関係、乳幼児期から中学受験まで多岐にわたる子育ての悩みに寄り添い、読者が前向きになれるような記事を届けている。