子どもであっても大人であっても、自分が損をすることは避けたいと思うものです。特に、発達障がいの特性がある場合、人とのコミュニケーションや感情のコントロールが難しく、人間関係を苦手とすることも多くあります。今回は、筆者の友人A子の娘・B子がお姉さんになったことをきっかけに大きく成長したほっこりエピソードをご紹介します。

でも、B子の中で妹に対する愛情が育まれていくうちに、言動に少しずつ変化が見られるようになりました。B子はお店でベビー用のおかしを楽しそうに選んだり、「C子にこれがいいんじゃない? おいしそうだよ」と妹のために勧めてくれたりするようになりました。

また、A子が桃を「お姉ちゃんだから、大きい方ね」とB子にあげたときには、小さな妹に大きい方を譲ってくれたこともありました。

さらに、年下の親戚とは何かとケンカになっていたB子でしたが、最近はこうしたトラブルも激減したといいます。祖父母の家で小さな親戚が困っていたり、うまくできないことがあったりしたら、優しく手を差し伸べることも増えました。

A子は、娘の成長の何よりものきっかけは妹だと考えています。B子を通じて育児の難しさを痛感する日々が多かったため、二人目を産むことに長らく後ろ向きでした。しかし、B子は妹ができたことで心も安定し、年長者としての責任感も育まれていきました。A子は二人の育児を大変に感じながらも、それ以上に娘が人として大きく成長する姿を見ることに喜びを感じています。A子にとって、二人の子育ては、この上ない喜びになっています。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:太田あやこ
大学でジェンダーや女性史を学んだことをきっかけに、専業ライターとして活動中。自身の経験を活かしながら、幅広い情報収集を行い、読者に寄り添うスタイルを貫いている。社会の変化の中で、女性が直面する課題や選択肢に光を当て、より自由で豊かな生き方を模索する記事を執筆。人生の選択肢を広げるヒントを提供し、日々の悩みに少しでも明るさをもたらせるよう、前向きになれる記事づくりに取り組んでいる。