“いいね”の数で測る友情
数年前、私はとにかく人間関係に疲れていました。
きっかけは、ママ友や同僚とのSNSの付き合いです。
毎日のように投稿しては「いいね」の数を気にし、コメントのやり取りに追われる日々。
「見てくれてるかな?」「あの子にはコメントしたのに、私にはない」そんなことばかりが気になって、投稿するたびに落ち込むようになりました。
実際に会って話すと楽しい人たちなのに、SNS上ではどこか駆け引きめいたものを感じて、正直しんどかったのです。
繋がっているのに孤独
ある日、私の投稿にいつも反応してくれていたB子が、突然ぱったりと「いいね」もコメントもしなくなりました。
何かあったのかなと心配して連絡したら、「SNS疲れちゃって……ちょっと距離置いてるの」と返事が返ってきました。
その言葉に私はハッとしました。疲れていたのは、私だけじゃなかった。
それなのに「反応がない=私が嫌われた」と思い込んでいた自分が恥ずかしくなりました。
繋がっているようでいて、本当は誰とも繋がれていなかった気がしたのです。
本音の繋がりに救われて
それから私は、SNSでの関わり方を少しずつ見直しました。
投稿の頻度を減らし、やり取りも「義務」ではなく「気持ち」でするようにしたのです。
すると、ふとしたタイミングでB子から「久しぶりにお茶しない?」と連絡が。
会ってみたら、SNSで交わす何十ものやり取りより、たった一回の会話の方が、心が温かくなりました。
「やっぱり、こうして顔を見て話すって大事だね」と笑い合ったとき、私はようやく人間関係の本当の心地よさに気づいた気がしました。
数より深さ、人との距離感を大切に
今でもSNSは使っていますが、もう“数”に振り回されることはありません。
本当に大切な人とは、画面越しではなく、ちゃんと向き合いたいと思うからです。
私が欲しかったのは“たくさんの反応”ではなく、“心の通うやり取り”だったのだと、今ははっきり言えます。
人間関係に疲れたときほど、自分がどんな繋がりを望んでいるか、立ち止まって見直すことが大事なのかもしれません。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。