買い物係はいつも嫁
義実家に帰省すると、必ずといっていいほど義母に「〇〇買ってきて」と頼まれます。
初めは好意で引き受けていましたが、回数を重ねるうちに「私にだけ?」という違和感が積もっていきました。
義父も夫も何も言わず、義母は当然のように「お嫁さんなんだから動いて当たり前でしょ」と。
1万円札に込められた圧
その日、義母に頼まれたのは洗剤とトイレットペーパー。
「ついでにお茶菓子もお願いね」と言いながら、1万円札をひらひら渡されました。
「高いもの買ってこられても困るから、ちゃんとレシート見せてね」
その言葉にカチンときました。
でも私は何も言わず、そのまま買い物に出かけました。
レシートと一緒に“あるもの”を
帰宅後、品物とレシート、そして封筒を義母に渡しました。
中にはお釣りと一緒に、丁寧にまとめた内訳メモ。品目ごとに金額を記し、最後にこう書いておきました。
「交通費・労務費:¥0(今回もサービスです♡)」
義母はその一文を見た瞬間、顔が引きつりました。
夫がそれをのぞき込み、「あ、それいいね! オレも次から真似しよう」と笑ったのが追い打ちになったようです。
“嫁だから”はもう古い
その日以来、義母から買い物を頼まれることは減りました。
頼まれても「これ、お願いできる? もちろんお願い料つきで」と冗談交じりに言われる程度に。
小さな反撃だったけれど、私は“嫁だから”という呪縛から少しだけ解放された気がしました。
遠慮せずに自分の立場で伝えられることを伝える大切さを、教えてくれたのです。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。