母としての役割に追われる日々のなかで、ふとした夫の言葉が胸に刺さって辛くなってしまった女性。
誕生日に交差した想いが、夫婦の関係に静かに波紋を広げていきます──。
今回は筆者の知人から聞いた、夫婦間のすれ違いに関するエピソードをご紹介します。
誕生日に交差した想いが、夫婦の関係に静かに波紋を広げていきます──。
今回は筆者の知人から聞いた、夫婦間のすれ違いに関するエピソードをご紹介します。
誕生日
私は今年、30歳という節目を迎えました。
誕生日には、3歳と6歳の娘たちが手紙や似顔絵をプレゼントしてくれました。どうやら長女が計画してくれた様子。
あどけない手つきで書かれた文字や心のこもった絵が愛おしくて、「幸せな誕生日を迎えられたなあ」と感じていたのですが......。
娘たちが私にプレゼントする姿を見ていたはずなのに、愛する夫からは一言もお祝いされなかったのです。
朝食時も、出勤前も、何事もなかったかのようにいつも通り過ごす夫。
そんな姿を見て「ひと言でもおめでとうって言ってくれてもいいのに」と、胸のなかでモヤモヤが膨らんでいきました。
そして夜になり、我慢できずに
「今日、何の日か分かる?」
と思わず聞いてしまったのです。