これは筆者自身の体験です。
買い物の途中、少し疲れて息子とベンチで休んでいたときのこと。スマホに気を取られていたほんの数十秒の間に、息子の姿が消えてしまいました。あわや大事故になりかけた出来事を通して、子どもとの時間にどう向き合うべきかを深く考えさせられました。

ちょっとだけ休憩のつもりが……

ある日、息子と買い物中に少し疲れてしまい、ショッピングモールのベンチでひと休みすることにしました。私はスマートフォンでLINEの返信をしていて、息子は隣に座って静かにしていると思っていました。

数十秒の油断→息子の姿が消えた!

ほんの数十秒、スマホの画面に目を向けていたときです。ふと横を見ると、息子の姿がありません。ベンチには誰もいない。私は一気に血の気が引き、慌てて辺りを見回しました。すると、かなり先の方に息子がひとりで走っていく姿が! その先にはエスカレーターが見えていて、心臓が凍るような思いでした。

「待ってー!」と叫んだ瞬間

「待って!」と大声で叫ぶと、近くにいた女性がすぐに気づいてくれ、エスカレーターの手前で息子を止めてくれました。私は駆け寄って「ありがとうございます!」と頭を下げたあと、思わず息子に「勝手に走って行ったらダメでしょう!」と強い口調で叱ってしまいました。

助けてくれた女性の一言

すると、その女性が私に優しくこう言ってくれたのです。「まだこんなに小さいんだから、それはわからないわよ。今はお母さんがしっかり見てあげないといけない時期よ。怒らないであげてね。」

気づかされたのは「自分の責任」

その言葉を聞いて、私ははっとしました。危ない目に遭わせてしまったという後ろめたさを、私は息子への怒りに変えてぶつけていたのです。でも本当は、私がスマホに気を取られなければ防げたことでした。たった数十秒の油断が、息子の命に関わるような危険に繋がっていたのです。

今しかない「この瞬間」を大切に

それ以来、私は外出時にスマホを手に取らないように心がけています。そして、息子と過ごす「今この瞬間」にしっかり向き合おうと決めました。子育てに完璧な答えはありませんが、立ち止まって自分の行動を見直すこと、それが何より大切だと実感した出来事でした。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。