今ではすっかり置き配が一般的になりましたよね。配達員の人と顔を合わせないので気軽に受け取れますし、再配達を頼む手間も減ります。しかし対面のように確認はされないため、誤配されてもすぐに気づけない可能性もあります。今回はそんな誤配達でまさかのトラブルに発展した経験のある筆者の知人、Oさんのお話です。

置き配の荷物が来ない!

Oさんは当時、通販で服を買うのにハマっていました。
「この服かわいい! ポチっちゃおっと」
普段はフルタイムで仕事をしているため、荷物を受け取れる時間が限られています。
しかしOさんは仕事帰りのデートにその服を着たいと思っていたため、平日に置き配で配送してもらうことにしました。
「置き配って便利だな、届くのが楽しみ!」
Oさんはその服が届くのを楽しみにして、指定した日を待ちました。

「おかしいな、荷物が来てない……」
荷物が届く予定の日、帰宅したOさんは玄関先に置かれているはずの荷物がないことに気づきました。

「配達は完了してるはずなのに、なんでだろ?」
Oさんのスマホには確かに、配達完了のメールが届いています。そこでOさんは配達完了メールに添付されている、荷物の写真を確認してみました。

まさかの誤配

「これ、うちじゃない!」
配達完了メールに添付されている写真の玄関先は、どう見てもOさんの家ではありません。

そこでOさんはご近所を少し歩いて回り、写真と同じ玄関の家を探しました。
「ここだ!」
その家はすぐに見つかり、表札にはOさんと同じ苗字が書いてあります。しかしいきなりインターホンを押して「荷物が間違って置かれていませんでしたか」と尋ねるのも不審すぎるため、誤配をした配送会社に電話をして、対応を任せることにしました。

そして数日後、配送会社からOさんに連絡が来ました。なんと誤配で荷物が届いてしまった家の人が、「うちに届いたんだからうちのものです」と言いはって、どうしても返してもらえないというのです。

「もともとはうちのミスですから、もちろん商品は弁償します」
配送会社の人はそう言ってくれましたが、Oさんは「どうして返してくれないんだろう」とモヤモヤ。しかし商品を弁償してもらったため、服は無事にOさんの手元にやってきました。

その数日後にOさんがその家の近くを通ると、家の中からOさんが通販で頼んだ服を着ている女性が出てきました。
Oさんは「人が買った服を平気で着るなんて」と思い、複雑な心境になったそうです。声をかけることもできませんでした。

確かに誤配をした配送会社の責任といえば責任ですが、明らかに宛名が自分ではない荷物を開けて、入っている服を着るのは一般的に適切とは言えない行動でしょう。今回の件で、Oさんは置き配の便利さとともに、誤配のリスクや、万一のトラブル時の対応について深く考えるきっかけになったそうです。誤配された荷物であっても、その所有権は元の購入者にあり、勝手に使用することは認められていません。もし誤って他人の荷物を受け取ってしまった場合は、速やかに配送会社に連絡し、指示を仰ぐようにしましょう。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。