休みの日などに、遊びに出かけるママ友が好意で自分の子も一緒に連れて行ってくれるということがありますよね。そんな時、自分の子にお金を持たせておいたり後からお礼したり、相手に負担がかからないようにする人が多いのでは? 今回は子どもを遊びに連れて行ってもらった際に、意外な金銭トラブルを経験した筆者の知人、Eさんのお話です。

子どもを映画に連れて行ってもらって……

Eさんは小学校低学年の子どものママ。

家事や育児に追われて忙しい毎日でしたが、親しくしているママ友数人とたまに集まってランチやお茶に出かけるなどの息抜きもしています。

しかし息抜きしたくてもできないのがGWや夏休みなどの長期のお休み。そんな時は代わりばんこに誰かが子どもたちをまとめて遊びに連れて行き、他のママ友に息抜きの時間を作ることもよくありました。

長期休暇のある日、ママ友の一人が「子ども連れて映画に行くけど、一緒に連れて行こうか」と提案してくれました。
「ありがとう、助かる!」
そのママ友は最近仲良くなったばかりで、Yさんという女性。

Eさんの子の他にも数人連れて行ってくれるとのことで、Eさんやママ友たちは子どもが映画に行っている間に用事を片付けたり、ゆっくり一人の時間を楽しんだりすることができました。

請求金額の違和感

その日、Eさんは子どもに映画代と昼食代を持たせて送り出しましたが、子どもが帰宅すると「おばさんが払ってくれた」とのこと。

それではいけないと電話しようとすると、ちょうどYさんから「代金はまとめて払ったから後で精算して請求します」とLINEが届きました。

過去にそういうママ友もいたので、特に疑問もなくEさんは快諾し、請求を待ちました。

しかし、映画代+昼食代の金額が送られてきたのですが、これまでのママ友とのやり取りに比べると少し高め。

Eさんが子どもに何を食べたか聞くと、
「ハンバーガーだよ!」
子どもは映画館に併設されているファーストフード店の名前を言いました。
「それにしてはちょっと高いな……」
と疑問に思ったEさんが、他のママ友に確認すると、皆も同じ金額を請求されており、「ちょっと高いと思ってた!」と同様に感じていました。

そこでEさんは意を決してYさんに内訳を聞いてみることにしました。

内訳と、見えてきた価値観のズレ

「これがレシートだよ~、あとガソリン代と手間賃ね!」
と返信がありました。
映画代と昼食代のレシートが送られてきたので確認すると、Yさんとその子どもの昼食代までが、連れて行ってもらった子どもの人数で割り勘にされている様子でした。

今回の出来事で、私たちは「連れて行ってもらったことへの感謝」と「金銭の精算」について考えさせられました。車を出してもらう際は、ガソリン代や高速代を支払うのは当然の配慮です。しかし、Yさんからの「手間賃」という請求や、彼女たち自身の昼食代が割り勘にされていたことで、正直なところ戸惑いとモヤモヤした気持ちが残りました。

もちろん、Yさんにも私たちにはわからない事情があったかもしれません。しかし、この経験からEさんは、どんなに親しい間柄でも、お金のことは事前にきちんと確認し合うことの大切さを学びました。お互いが気持ちよく付き合っていくためには、遠慮せずコミュニケーションをとることが大切だと改めて感じたそうです。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。