Aさんとの出会い
今の住まいに引っ越してきた頃の話です。朝ゴミ捨てに行くと、同じ年齢くらいの女性と鉢合わせました。
「毎日暑いですよね」私がなんてことない会話を始めると、「どこの家にお住まいですか? お名前は?」と女性は質問攻めしてきたのです。
彼女の名前はAさん。裏の通りに住んでいて、私と同じ子育て中のママなのだそう。Aさんは「同じ境遇の知り合いができてとても嬉しい」と話していました。
この日以降、私はゴミ捨ての度にAさんと顔を合わせるようになったのです。
待ち伏せ
最初は楽しかったAさんとの立ち話。ただ、しだいにその時間は長くなり、気が付けば1時間経っていることもありました。
話の内容は、愚痴や他人の悪口ばかり。さらには「旦那さんの月収はいくら?」などと私の家庭事情についてもリサーチしてきます。そんなAさんを、私は面倒な人だと感じるようになっていきました。
そこで私はゴミ捨ての時間をずらし、Aさんとの遭遇を避けるようにしました。しかし、Aさんは私と話したいからか、長時間ゴミ捨て場の前でウロウロ。いつも私を待っているのです。
作戦実行
このままではAさんに付きまとわれる日々が続いてしまう。そんなの無理と思った私は、ある覚悟を決めました。
この日もゴミ捨て場で待ち構えていたAさん。
「ちょっと聞いて! まじで〇〇くんママむかつくの!」と一方的にタメ語で愚痴を吐かれた私は、真顔で「すみません。今家事の途中なので失礼します」と拒否したのです。
すると「あらそう……」とAさんはポツリ。私の異変に気付いたのが、それ以降彼女がゴミ捨て場で待ち伏せすることはなくなりました。
適度な距離を保つために
フレンドリーを超えている相手には、自分のペースを崩さないことが大切です。相手に合わせてこちらも親しい態度を取ると、相手は調子に乗ってしまうかもしれません。
特にご近所さんの中には仲良くなろうと必死で、急に距離を縮めようとする人がいます。人生で長く関わる関係だからこそ、深入りされないようにするのが賢明でしょう。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする。