筆者の体験談です。
朝型の私と、夜型の夫。
同じ家にいるのに、すれ違ってばかり──
今日もリビングで、寝落ちした夫を見つけてしまいました。

寝室にいない夫

転勤族の夫と社宅で二人暮らし、子どもはいません。
私たちは、結婚当初から生活リズムが違っていました。
私は朝型で、夫は夜型。
新婚の頃は、それでもお互い時間を合わせて会話を楽しんだり、共通の趣味を見つけて遊んだりしていました。

しかし、年月が経ち、夫の仕事が忙しくなるにつれて、お互いの趣味も変わってきました。
最近の夫の趣味はゲーム。
どんなに遅く帰ってきても、ゲームで気分転換をしてから寝るのが習慣になっています。

食事を終えると、夫はテレビの前に陣取ってゲームをスタート。
私は食事の片付けや翌日の準備を終えると 「じゃあ、お先に」 と寝室に向かう毎日です。

寝落ちと朝のルーティン

早朝、目覚めて隣の布団を見ると、誰もいません。
ため息をついてリビングに向かうと、予想通り、コントローラーを握ったままソファで寝落ちしている夫。

「早く、布団に移動して」
そのままだと体が痛くなりそうで、私はそっと肩を揺らして布団に連れていきます。

数時間後、今度は起きられない夫を起こして出勤させるのも私の役目。
睡眠不足が続いているようで、毎朝あくびをしながら出ていくのを見ると、ちゃんと仕事ができているのか不安になります。

休日のもやもや

平日の睡眠不足がたたっているのか、休日は昼近くまで起きてきません。
せっかくの休みなのに、結局私はひとり。
「自由時間ができたと思えばいい」 と自分に言い聞かせてみるけれど、一緒に笑ったり、同じ景色を見たりするだけでいいのに。
そんな当たり前の時間が、どうしてこんなにも遠く感じるのだろうと思ってしまいます。

私は、何をそんなに期待していたんだろう。
夫だって、疲れているだけなのに。
そう思えば思うほど、胸の奥にもやもやが積もっていくのです。

今日も静かに布団へ

「休日に何をしていようと、何も言わない。でも、せめて平日はちゃんと寝て」
そう思いながら、今日も、私は夫を布団に連れていきます。

好きなように過ごせばいい。
お互いの時間を大事にすることも、きっと必要。
気を遣わないでいい『家族』 という形になり、彼は安心しているのかもしれません。
そう考えると、仕方ないのかなと感じます。

けれどやはり、同じ時間を少しでも共有できたらいいのにな。
そう思う私も、確かにここにいるのです。

【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。