家族経営している飲食店の場合、店主の子どもが店で食事をしていたり、宿題をしていたりする光景を目にしたことがある人もいるでしょう。店の隅でおとなしく過ごしているのを見ると、「えらいな」と微笑ましく思うことも。今回はそんなお店の子どもに関して、ビックリするような経験をした筆者の知人、Mさんのお話です。
そして子どもはトコトコとMさんの席までやってきました。
「お腹空いた! それちょうだい」
お腹が空きすぎて、我慢できなかったのでしょう。そう言っておもむろにMさんが食べていたサンドウィッチに手を出し、パクパクとすごい勢いで口に詰め込みました。
「え……」
驚いて固まっているMさんに、店主は「もう、何やってんの! すみません!」と一言。バタバタしていて、作り直す余裕がなかったのかもしれません。
呆れたMさんが店を出ようと会計の伝票を持って行くと、半分も食べていないサンドウィッチの料金を全額請求されました。結局、サンドウィッチ代は全て払って店を出ましたが、どこか腑に落ちない気持ちになりました。
店を出たあとでMさんがその店の口コミを見ると、「子どもが食べ物に手を出してくる」という口コミが多く、Mさんはまたこの町に出張に来たとしても、この店にはもう行くことはないだろうと思ったそうです。
子どもの無邪気な行動に悪気はなかったのかもしれません。けれど、美味しい食事を心待ちにしていた分、非常に残念な気持ちになりました。この経験から、どんなお店でも入る前に口コミをチェックする習慣をつけようとMさんは心に決めたそうです。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。