家族経営している飲食店の場合、店主の子どもが店で食事をしていたり、宿題をしていたりする光景を目にしたことがある人もいるでしょう。店の隅でおとなしく過ごしているのを見ると、「えらいな」と微笑ましく思うことも。今回はそんなお店の子どもに関して、ビックリするような経験をした筆者の知人、Mさんのお話です。
出張先の喫茶店で
Mさんは当時外回りの多い営業の仕事をしており、その日は県外の得意先に行くための出張中でした。
「どこでご飯食べようかな……」
商店街の中に小さな喫茶店があったので、Mさんは約束の時間までそこで昼食をとることにしました。
「サンドウィッチとコーヒーください」
注文をして待っていると、店の奥から「お腹空いたよー」と騒ぐ子どもの声がしました。
「このお店の子かな」
どうやらこの店は夫婦で経営しており、夏休み中だからか子どもをお店に連れてきているようでした。
店内を見渡すと、誰も座っていないカウンター席の隅っこに夏休みの宿題らしきテキストが開いたまま放置されています。
「お待たせしました」
サンドウィッチが運ばれてきたので、Mさんが手をつけようとした時でした。
「お腹空いたよー!」
店の奥から先ほどの声の主である子どもが現れ、店の中をウロウロと歩き出しました。
子どもがまさかの行動に
店主が奥から子どもに「ご飯作ってあげるからおとなしく待ってて」と言っても座ろうとしません。
店内にはMさんしか客がいないものの、店主は出前で注文された食事を作るのにバタバタしている様子。