おしゃれって楽しいですよね。お気に入りの服に袖を通すときのワクワク感は、日々に彩りを与えてくれます。でも、そんな気持ちに水を差すような一言に、心をかき乱された経験はありませんか? 今回は筆者の友人A子の体験談をご紹介します。

自称“専門家”マウントママ友の口癖

私のママ友グループに、Y子という女性がいます。
彼女は自称「パーソナルカラーの専門家」。
特に資格があるわけではないのですが、なぜか妙な自信に満ち溢れていて、それがかえって厄介でした。

「あなたはイエベ春だから、その色はダメ」
「ブルベの私には似合うけどね~」

と、会うたびに他人のファッションをジャッジしては、マウントを取ってくるのです。

ランチ会での屈辱

ある日のランチ会。
私がお気に入りのロイヤルブルーのワンピースを着ていくと、Y子は待ってましたとばかりに口を開きました。

「A子ちゃんってイエベ春なのに、なんでその色選ぶかな? 顔色、死んでるよ? 悪いけど、事故ってる(笑)」

周囲のママ友たちは気まずそうに視線を逸らし、私は恥ずかしさと悔しさで胸が締め付けられるようでした。

好きな服を「事故」とまで呼ばれた屈辱は、今も忘れられません。
その日は食事の味もよくわかりませんでした。

反撃の計画

でも私は、ただ黙って傷つくようなタイプではありません。

数日後、私はデパートで開催されるプロのカラーリストによる診断イベントにY子を誘いました。

「Y子さんって、すごく詳しいから、私に本当に似合う色を一緒に見てほしいな」と持ちかけると、彼女は得意満面で「いいわよ! 任せて!」と即答。

当日、プロのカラーリストの前でも「この子は典型的なイエベなんで、暖色系でお願いしまーす」と知ったかぶり全開でした。

プロが下した真実に、スカッと!

しかし、プロが何枚ものドレープを当てて下した診断は、全く違うものでした。

「お客様は、典型的なブルベ夏ですね。特に今日お召しのこの青、最高にお似合いですよ」

「えっ……」と固まるY子。
さらにプロは、彼女が勧めてきたオレンジの布を当て「逆にこのお色は、お肌を黄ぐすみさせてしまいますね」と気まずそうに、しかし完璧に論破。

目を泳がせるY子を見て、私は心の中で静かにガッツポーズしました。
自分の「好き」を信じることの大切さを、改めて実感した出来事です。

この一件以来、Y子の「カラー診断つきマウント」はぴたりと止まりました。
もう誰にも、好きな服を「事故」呼ばわりさせない──そう心に決めています。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。