その場の緊張感と、ある人物の見事な一言に注目が集まります。
今回は筆者の知人から聞いた、誰もが目撃しうるトラブルエピソードをご紹介します。
有効期限切れのクーポン
これはある日、近所のスーパーで買い物をしていたときの出来事です。
レジで会計をしていた高齢の男性客が
「このクーポン使えないの?」
と、店員に詰め寄っていました。
どうやら男性客のクーポンは有効期限が切れている様子。
「申し訳ありませんが、こちらは昨日までのクーポンとなっております」
と若い女性店員が丁寧に説明していたのですが……。
まさかの逆ギレ!
男性客は納得して引き下がるどころか、まさかの逆ギレ!
「俺はこの店の常連だぞ!」
「毎週来ている太客だから使わせろよ」
と声を荒げて女性店員に詰め寄ったのです。
私はもちろん、周囲の空気が一気にピリついたのを感じました。
女性店員もよほど怖かったのでしょう。
「確認いたします」
と涙声になりながらも店長を呼びに行きました。
『自分勝手で迷惑な客だなあ』とことの顛末がどうなるのか、冷や冷やしていると……。
毅然と対応
すぐに駆けつけた店長が、男性客の話を最後まで丁寧に聞いた上で、きっぱり断ってくれたのです。
「恐れ入りますがルール上、期限切れのものはご利用いただけません」
男性客はしばらくゴネていたものの、
「ご理解いただきますよう」
と毅然とした態度で繰り返す店長。
最終的に観念したのか、男性客は不満そうな表情を浮かべながらも商品を置いて帰っていきました。
一部始終を見ていた私が思わず心のなかで拍手を送ってしまうほど、店長の冷静さと一貫した対応は清々しいものだったのです。
冷静さが大切
感情でぶつかるのではなく、敬意を持ちつつも落ち着いて接することで状況を鎮めた店長の姿勢は、見習うべきものだと感じた私。
“言い返す強さよりも冷静に対応する強さ”の方が、ときに場を制することがあるのだと改めて実感した出来事でした。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。