一瞬「窃盗事件!?」と緊張が走るなか、思いもよらぬ展開が待っていました。
今回は筆者の友人から聞いた、驚きと教訓のエピソードをご紹介します。
窃盗事件!?
ある朝、いつものように駅前の駐輪場に向かうと、自分の自転車に見知らぬ男性がまたがっていました。
「それ、私のですけど」
と思わず声をかけると、男性はキョトンとした表情。
そして思いもよらないひと言を発したのです。
「妻からこの自転車で帰ってくるように言われているのですが」
困惑
訳が分からず混乱しながら、
「どういうことですか?」
と尋ね返すと、彼はポケットからメモを取り出しました。
“駅前の黒い自転車”“かごのメッキが一部剥がれている”“鍵は開いているからすぐ乗れる”
メモの内容にあった自転車の特徴は私のものと一致しています。
確かに、鍵は昨日つけ忘れていたものの、自分の自転車は自分で見たら分かります。『どこからどう見ても私の自転車のはずなのに』と困惑していると……。
勘違い
すると男性は誰かに電話し始め、数分後1人の女性が小走りで駆け寄ってきました。
「これは違うわ!」
「本当にごめんなさい」
「その自転車がうちのとそっくりで間違えちゃったみたいです」
聞けば、その男性は近所に住む奥様のご主人で、通勤に使うため代わりに自転車を取りに来たとのこと。
自転車の色も形も似ていて、鍵が開いていたことで完全に勘違いしたようでした。
はじめこそ困惑していた私でしたが、夫婦の真摯な謝罪を受けて少しずつ落ち着きを取り戻しました。
所有物には目印を
結果として何も盗られておらず、そもそも悪意すらなかったと分かり、笑い話に落ち着きました。
それ以来、自転車にはしっかり鍵をかけるように。
それから私のものだと一目で分かるよう、車体に反射テープを貼っただけでなく、イニシャルが書かれている茶色のサドルカバーもつけることにしました。
見た目が似ていても、所有物は自分で守るべき。
小さな勘違いが大ごとになる前に、注意する習慣が大切だと学んだ一件でした。
【体験者:20代・女性フリーター、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。