会わせたい人がいる
ある日、Aさんの息子が「会わせたい人がいる」と1人の女性Cを連れて家にやって来ました。息子はCと結婚したいと言い、Aさん夫婦は心から祝福します。
「息子が選んだ人ならば、どんな人でもいい」と考えていたAさん。Cと話しているうちにCの育った環境が想像以上にハードだったことがわかります。
Cは身寄りがなく、施設で育ち頼れる人もいない天涯孤独の身だと言うのです。素敵なお嬢さんに見えたCにそんなバックグラウンドがあったと知ったAさんは、深く心を動かされ、Cのことを実の娘のようにかわいがろうと決意しました。
嫁と姑、2人の関係は良好
その後、息子とCは結婚し実家近くに住み始めました。何かできないことがあるとCはAさんのことを頼ってくれたので、Aさんは喜んで若い夫婦の手伝いをしました。
知らないことが多く時には非常識だと感じることもあったCの言動ですが、Aさんは「若いんだし、教えてくれる人がいなかったんだから仕方ない」と自分を納得させ、Cに1つ1つ教えていきます。
C「こんなことも知らなくて、すみません。母がいなかったものですから……」
Cの言葉を聞くとAさんは胸が締め付けられるような気持ちになり、私が母として愛情を注いであげようと思うのでした。Aさんは、Cがこれまで経験してきたであろう困難を思い、そのぶんも愛情を注いであげたいと心から願っていました。
嫁の本性発覚
ある日、Cに呼ばれて息子夫婦宅へ家事の手伝いに行ったAさん。そこでCが電話で誰かと話しているのを聞いてしまいました。
C「姑ちょろすぎる、両親がいないってメソメソすれば、何でも言うこときいてくれる」
笑いながら誰かと話しているCの言葉が信じられなかったAさん。親身になっていたはずのCの言葉の裏に、別の意図があったことを知り、Aさんは大きなショックを受け、その日は帰宅しました。
もう実の子のようには思えません
Cの本性を知ってから、AさんはどうしてもCを実の子のようにかわいがることができなくなってしまいました。
いつものようにかわいそうな境遇を押し出してきても、「もういい大人なんだから、いつまでもそんなこと言ってないで自分の力で頑張ろうね」としか思えなくなったのです。
突き放したり、いじめたりするつもりはないけれど、今後はCとは距離を取って付き合いをしていくつもりなのだそうです。信じていたのに裏切られるとショックが大きいものですよね。
【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。