持ち寄りごはん会
同じマンションに住む、仲良し家族。
子どもの月齢も近いので、一緒に遊ぶこともしばしば。
ある日、家族ぐるみでのお出かけの帰り道、「このまま外食する?」という話になったのですが、子どもも小さいし、落ち着かないよね……ということで、急きょ持ち寄りごはん会に変更になりました。
「じゃあそれぞれ簡単に作って、夜7時にあなたの家で集合ね!」
友人のその一言で一旦解散し、それぞれ家で準備することに。
大慌てで準備したのに
帰宅後、私は夫に子どもを任せ、すぐさまフル稼働。キッチンに立ちながら、散らかった部屋を片づけ、急いで料理を仕上げました。
集合時間に間に合うように! と必死で。
しかし、待てど暮らせど友人一家は来ない。
電話すると、「もう少ししたら行く」との返事。
しばらくしてやってきたのは、旦那さんだけでした。
「妻もすぐ来るから、先に食べてて」と言う旦那さん。
「じゃあ」と食べようとしたけど
「妻を待ちます」とその旦那さんも食べようとしない。
いい加減お腹ペコペコなんだけど、と思ったけど言えない。
テーブルに並べた料理は冷め、私はかなりモヤモヤしました。
モヤモヤからイライラに
やっと友人が現れたのは、約束の時間から1時間以上も経った夜8時過ぎでした。
開口一番、
「も〜、先に食べててって言ったじゃん。子どもいるんだから、予定通りなんて無理なのよ」
と、まるで私が責めているかのような口ぶりに絶句。
さらに、
「帰ったらすぐお風呂に入れられるように全部準備してきた」とドヤ顔。
……え、ちょっと待って?
こっちも子どもがいて、必死に準備したんだけど!?
友人も子どもの世話で大変だったのかもしれないと頭では理解しつつも、料理も全部1人でやって、しかも1時間待たされたのに。
モヤモヤを通り越してイライラに変わっていました。
人付き合いを考えるきっかけに
楽しい持ち寄りパーティーのはずが、気づけば私ばかりが動いていました。
私は子どもをあやしながら、時間ギリギリで料理を仕上げ、なんとか間に合わせたというのに。
「遅くなってごめんね」
その一言すら言わない友人。
もしかして、私、都合のいい人になってた?
笑顔を貼りつけたまま、何も言えなかった自分にもあとから腹が立ちました。
ちゃんと自分の気持ちを伝えること、遠慮しすぎないことも、人付き合いには大切だと思います。
それからは、私も自分の気持ちを大切にするようにしています。
【体験者:50代、筆者、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。