今回は知人のB子さんから聞いた、人間関係での違和感と、その先に見えた本音の繋がりについての物語をご紹介します。仲良しと思っていた友人グループから距離を置かれたことで、B子さんが得た気づきとは?

疎外感の始まり

ある日、ふとしたことで気づいてしまいました。
仲良しのママ友のうち、私以外の3人が週末ランチに行っていたことに。
SNSに上がった写真には楽しそうな笑顔が並び、私の胸に小さな棘が刺さりました。
「なんで誘ってくれなかったんだろう?」
そう思ってLINEを見返しても、それらしいやりとりはありません。
今までいつも一緒にいたのに、急に仲間外れにされたようで、心がざわつきました。

“気を遣われていた”ことに気づく

翌週、何気なくそのうちの一人・C子と話す機会があり、少し勇気を出して聞いてみました。
すると彼女は困ったような顔をして言いました。
「B子って、なんでもちゃんとしてるでしょ? 一緒にいると緊張するって言ってた子がいて……悪気はなかったんだけど」
その瞬間、はっきりとわかってしまいました。
私は仲良しだと思っていたけれど、相手は少し壁を感じていたのだと。
いつも笑顔で合わせたり、不満があっても『大丈夫』と言ったり……。無意識のうちに、”完璧な自分”を見せようとしていたのかもしれません。
そうして私が無意識に張っていた“いい人の鎧”が、相手を疲れさせていた可能性があると感じました。

距離を置いて見えたこと

その日から、私はそのグループと少し距離を置きました。
無理して合わせるのも、気を使いすぎるのも、もうやめようと思ったのです。
代わりに、保育園で挨拶だけしていたママと何気ない話をするようになり、自然と仲良くなりました。
彼女とは、気を遣わずに笑える時間がありました。
何も飾らず、疲れない会話。
子育ての悩みを飾らない言葉で話したり、お互いのドジな失敗談で大笑いしたり。そんな何気ない時間が、私にとって何よりの癒しでした。
私はようやく、心がほっとする繋がりを見つけた気がしました。

本音でいられる関係が一番

あのとき、無理に仲良しにしがみつかなくてよかったと思います。
どれだけ一緒にいても、本音で話せなければ、それは本当の関係とは言えないのだと気づきました。
今では、表面だけのつながりより、少なくても深く関われる人を大切にしています。
本音でいられる関係は、数ではなく質。そう思えるようになった今の方が、ずっと生きやすくなった気がします。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。