しかしY子さんは子供の勉強の話になると「うちの子、ゲームばっかりで」とニコニコ。
しかしその笑顔の裏には、意外な真意が隠されていて!?
筆者の友人R子が実際に体験したエピソードをご紹介します。
「うちの子、いつもゲームばっかりで」
ママ友のY子さんのお子さんは、とても優秀と評判。
毎回テストでは上位で、模試でも偏差値70台と噂されています。
しかしY子さんは子供の勉強の話題になると
「うちの子なんて、もう全然。ゲームばっかりで、宿題もまともにやってなくて」
とニコニコしながら言うのです。
周囲のママたちも
「本当にゲームしかしないのかしら……」
とざわついていました。
「今、何のゲームしてるの?」→驚きの答えが
ある日、うちに遊びに来ていたY子さんの息子に、ふと
「今、何のゲームしてるの?」
と聞くと
「え? あ、最近あんまりゲームやらせてもらってないんです。時間決まってて、10分だけ」
と驚きの発言。
「えっ、そうなの?」
「はい。終わったら、理社の暗記と、計算と読解をするから……」
ぽろっと真実を告白。
「やらないと、お母さん恐いから」
あんなに優しそうなY子さんの恐い顔は想像できなかったけど、Y子さんの息子が嘘を言っているようにも思えませんでした。
Y子さんの葛藤とは!?
Y子さんはあいかわらず
「うちの子はゲームばっかりで」
とさらりと言ってのけるけれど、その裏で勉強している息子さんの姿を想像してしまうように。
数日後、Y子さんと偶然、買い物帰りにふたりで話す機会がありました。
「息子さん、本当に優秀だよね。授業中の発表もすごいって、うちの子が言ってたよ」
と言うと、Y子さんは、ほんの少し声を落として
「……ありがとう。でも、本当はすごくあの子はプレッシャー感じてると思う」
と意外な発言でした。
「私、子供に無理させてる、て思われたくなくて、ゲームばっかりって、周りには言っちゃうの」
「そのくせ、あの子には頑張らせてしまってる」
本音を話してくれたY子さん。
それぞれの家庭にそれぞれの悩みがある
私はそれを聞いて
「それぞれの家庭に、それぞれの苦しみがあるのだな」
と思いました。
「Y子さんも、息子さんもとても頑張ってるんだね。息子さんも、そんなY子さんの期待に応えることは、苦しいことばかりじゃないと思うよ。でも、もっと気楽になっても大丈夫だよ」
そう励ますとY子さんは
「そうだね。もうちょっと気楽に行こうかな」
と言いました。
変化したY子さん
その日から、Y子さんは少しずつ変わり、前みたいに「ゲームばっかり」とは言わなくなりました。
「昨日、息子が珍しく泣いて『問題が難しすぎる、わかんない』って言うから今日は、アイス2個買って帰ろうかな」
と、弱みを見せながら笑うように。
その後、息子さんはマイペースに頑張って、親子で決めた中学校を受験して合格。
親が「勉強してないの」と言うのはあるあるですが、そこには人には言えない悩みも隠れているのだな、と感じた出来事でした。
【体験者:40代・主婦、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Sana.Y
医療機関に勤めるアラフォーワーキングマザー。新卒で化粧品メーカーに入社後、結婚出産を機に退職。現在は転職し子育てと仕事の両立に励む。自分らしい生き方を求め、昔から好きだった書くことを仕事にしたくライターデビュー。化粧品メーカー勤務での経験や、会社でのワマザーとしての立ち位置、ママ友との情報交換を通して美容や教育、女性の生き方を考えた情報を発信している。