不満は無かったものの「これで良かったのかな」という思いはずっと引きずることに。
しかし自分が母となり、我が子の受験と向き合ってみて改めて感じたことがあり!?
F子が実際に体験したエピソードをご紹介します。
「本当にいいところよ」母親の出身高校の受験をすすめられる
私は、高校受験のときに、母の出身校の受験をすすめられました。
そこはミッション系の私立の女子校で、地元では「お嬢様学校」として有名。
母も、自分がその学校出身であることを大変誇りに思っていました。
「あなたなら行けるわよ。私も通ってた学校。伝統あるし、落ち着いてて、本当にいいところだったよ」
と言われ、先生にも
「お母さんの母校だそうですね。安心ですね」
と進路指導の際に太鼓判を押されました。
周りの希望に応えて進学
期待されることが悪い気分ではなかった私は、皆の希望に応えて、母の母校を受験して合格。
みんなが入学を喜んでくれて、嬉しい気持ちにもなりました。
高校生活も、特に大きな不満はなく、友達にも恵まれ勉強に部活に頑張る日々を過ごしました。
不満のない日々→「これで良かったのかな」
しかしそんな日々のなかで時々ふと
「これで良かったのかな」
と不安になることが。
楽しく充実していても、
「ここが自分の意志で選んだ場所だったら、私はもっと楽しめたのかな」
という思いにとらわれることがありました。
母になり、子供の受験と向き合って
高校を無事に卒業して、大学生、社会人を経て、やがて母になった私。
中学生に成長した子供の受験準備が始まったとき、つい
「お母さんはね」
と、自分の経験を口に出しそうになり、
「あ、母と同じことしている」
とハッとしました。
子供の気持ちも、親の気持ちも理解できた
自分が親になり、母が「自分の経験した良い進路をすすめたい」と思った気持ちを、このとき初めて理解できました。
母は母なりに、子供のためを思って言っていたのだ、と実感。
しかし、やはり子供には「自分で選んだ」という気持ちを大事にしてほしい、と思った私。
進路への口出しはほどほどに
「あなたがいいと思う学校をきちんと探して、選ぼうね」
と子供へ伝えました。
子供の受験を通して、親と子供、両方の気持ちを実感した私。
ようやく、私自身が長年感じていたモヤモヤの気持ちに整理をつけることができ、前向きに過去を振り返ることができるようになりました。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Sana.Y
医療機関に勤めるアラフォーワーキングマザー。新卒で化粧品メーカーに入社後、結婚出産を機に退職。現在は転職し子育てと仕事の両立に励む。自分らしい生き方を求め、昔から好きだった書くことを仕事にしたくライターデビュー。化粧品メーカー勤務での経験や、会社でのワマザーとしての立ち位置、ママ友との情報交換を通して美容や教育、女性の生き方を考えた情報を発信している。