まさかの言葉に拍子抜け
ついに怒られる……。
現れたのは、顔を真っ赤にした、いわゆる“雷オヤジ”。
その瞬間、頭の中が真っ白になり、青ざめました。
でも次の瞬間、返ってきたのはまさかのひと言。
「奥さん、水もったいないよ〜」
拍子抜けするほど穏やかな声に、思わず肩の力が抜けていきました。
花壇への水やりを促してくれたのですが、どこか照れているような口調にも聞こえたといいます。
そのとき、そばで聞いていた1年生の息子がポツリ。
「お庭のお花、すごくキレイ。ぼくも朝顔育ててるんだ」
ご主人はクシャッと満面の笑顔に、
「じゃあさ、おじさんちの芝生でプールして、お庭に水まきしてくれる?」と優しく笑ってくれたのです。
雷オヤジから頼れる存在へ
それからというもの、ご主人はたびたび声をかけてくれるようになりました。
「今度うちの孫が来るんだ。一緒に遊んでやってくれる?」
スイカやキュウリの差し入れもあれば、
「ピンポン鳴らしてくれたら、水引き込んでおくからね」という頼もしさも。
いつの間にか、“雷オヤジ”は優しい隣人になっていました。
両親を早くに亡くしていた真奈さんは、
「本当のお父さんができたみたい」と笑いながら話してくれました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。