反抗期まっさかりの娘さんは、とにかくお父さんがうざい模様。
そんな娘さんに、B美さんも頭を悩ませていましたが――。
「パパ、うざい!」
高校生の娘は、ただいま絶賛反抗期中。
とにかく夫のことを嫌っていて、ほとんど口もききません。
家で顔を合わせればため息、会話を振れば「パパ、うざい!」とそっぽを向いてしまうのです。
そのたびに、夫はしょんぼり。
「パパにもっと優しくしなさいよ」とたしなめてもうるさがり、どうしたものかと頭を抱えてしまいます。
幼い頃は、あんなにお父さんっ子だったのに――。
高熱を出した夫
そんなある日、仕事中の私に、夫からメッセージがありました。
見ると、高熱が出て早退したとのこと。
とても心配だったのですが、その日は私も忙しく、すぐに駆けつけることができません。
「なるべく早く帰るからね」と返信したものの、退社するころには、だいぶ遅い時間になっていました。
まさか、娘が……
「ただいま! ……あれ?」
玄関を開けてすぐ、夫のもとに急いだ私は、キッチンで立ち止まりました。
コンロの上には、おかゆの入った鍋が置かれています。
冷蔵庫には栄養ドリンクやゼリー、アイスがずらり。
寝室をそっとのぞくと、夫は氷枕に頭を乗せ、おでこには冷却シートを貼って眠っていました。
「まさか、娘が?」
そのまさかでした。
娘に聞いてみると、「別に、大したことしてないけど」と、相変わらずぶっきらぼうな返事。
ですが、「ありがとう、あなたの看病のおかげで、パパすやすや寝ているわ」と言うと、ほっとした顔をのぞかせていました。
「また風邪ひきたいな」
普段、あれだけ冷たい態度をとっていても、父親のピンチは助けてくれた娘。
親子関係を心配していましたが、この子なりに、お父さんのことを大事に想っているんだなと、嬉しい気持ちになりました。
もちろん、一番嬉しがったのは夫本人で、娘の優しさに大感動したよう。
熱が下がった今でも、「また風邪ひきたいな」なんて言って、冷房の下、わざと薄着で過ごしているんですよ(笑)
そんな夫を、娘は冷ややかな目で見ているのですが……。
反抗期の娘に悩むことも多かったのですが、家族ってやっぱりいいなと思える出来事でした。
【体験者:40代女性・兼業主婦、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。