長く一緒にいるパートナーの、ふとした変化。それが嬉しいことであれば良いのですが、時に「どうして?」という小さな疑問が、さざ波のように広がって、大きな不安になってしまうこともありますよね。今回は筆者の友人のエピソードをご紹介します。
私が変わった。……夫も変わった?
産後、なかなか体型が戻らず、鏡に映る自分の姿にため息をつく毎日。
そんな自分を変えようと始めたダイエットが思いのほか成功し、私は数年ぶりに昔の服が着られるようになりました。
友人から「すごく綺麗になったね!」と褒められるたびに、少しずつ自信も取り戻していきました。
夫の変化に気付いたのは、ちょうどその頃のこと。
それまでファッションに驚くほど無頓着だったのに、急に品の良いニットやジャケットを買ってきて着こなすようになったのです。
最初は「あら、素敵じゃない」と、私も素直に喜んでいたのですが……。
広がる疑念の影
私の喜びは徐々に不安へと変わっていきました。
「どうしたの、急にオシャレになって?」と聞いても、夫は「いや、まあ気分転換だよ」と曖昧に笑うだけ。
ファッションサイトを熱心に眺めている姿を何度も見かけるうちに、やがて私の心には黒い影が広がっていきました。
子どもが生まれ、私はもう女性として見られていないのかもしれない。
夫は外に目を向け、好きな人のためにオシャレをしているのでは……?
産後で不安定だった心は、日に日に疑念を大きくしていきました。
偶然目にしたスマホ画面
ついに、耐えきれずに「最近すごくオシャレだけど、誰かいい人でもできたの?」という冷たい言葉を夫にぶつけてしまった私。
夫は一瞬、ひどく傷ついた顔で私を見ると、「そんなわけないだろ」と呟き、部屋を出ていきました。
重い沈黙が流れるリビングで1人座っていると、充電ケーブルに繋がれたままの夫のスマホがふと目に入りました。
画面がついたままで、検索履歴がそのまま残っています。