フリマのお手伝いを頼んで……
Tさんはハンドメイド雑貨を作るのが趣味で、たまにフリマなどで作ったものを販売しています。
ある日Tさんはフリマの売り子の手伝いをハンドメイドに興味があるというママ友に頼みました。
「すごく売れるのね! 私も始めようかしら」
「でも材料費かかるからそんなに利益出ないよ……」
そんな話をしながら店じまいをして、帰路につきました。
「お礼にご飯おごるね!」
Tさんはそのママ友にファミレスでランチをご馳走することに。
「今日はありがとう、好きなもの頼んでね!」
「嬉しい、ありがとう!」
Tさんがトイレに立った間にママ友が注文をしてくれていて、腹ペコだった2人は料理が来るのを楽しみに待ちました。
お会計が高すぎる!?
ママ友とTさんはランチセットを食べ、おしゃべりをしながら和やかな雰囲気でランチは終了。
「あれ……結構高いな」
話しながらテーブルの隅に置かれた伝票の金額をチラッと見ると、お会計がやけに高いことに気づいたTさん。
不思議に思いましたが、奢ると言った手前「やっぱり割り勘で」とは言えないので黙っていました。
そしてお会計の際、レジで店員さんが白いビニール袋に入ったものをママ友に渡しました。あれ? と思って聞いてみると、ママ友の口からまさかの発言が飛び出したのです。
「テイクアウトも頼んじゃった、フリマの売り上げ良かったんだし別にいいよね?」
貴重な休みに手伝ってくれたことにはもちろん感謝しています。だからこそ、テイクアウトについても一声かけてくれれば快くご馳走できたのに、黙って注文されたうえに、その態度は「払ってもらって当然」と受け取られているかのように感じてしまい、Tさんはモヤモヤしてしまいました。
それからはそのママ友にフリマの手伝いを頼まなくなったそうです。
テイクアウトを黙って頼まずに、Tさんに「頼んでいい?」と一言聞いてくれたらモヤモヤせずに済んだのではないでしょうか。お礼は感謝の気持ちを伝える大切な機会だからこそ、相手への配慮が欠かせません。「お礼されて当然」ではなく、お互いが気持ちよく感謝を受け取り合える関係性を築きたいですね。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。