息子が夢中になった少年野球
小学3年生の息子が、お友だちに誘われて地元の少年野球チームに入りました。
習い事の負担を考えると、私は正直、ちょっと及び腰。だって、週末は毎週練習、早朝の集合、送迎、ユニフォームにお弁当……。親もそれなりに本気を求められるから。
ところが、息子は予想以上に楽しそうです。
キャッチボールすらしたことなかったのに、「今日ノック練やった!」「バッティングうまくなったかも!」「おれセンスあるってさ!」と、練習終わりは毎回テンション高め。練習も休まず行くし、ここまではまるんだと正直驚いています。
初めての送迎で目にした“名前呼び”文化
送迎はいつも夫にお願いしていたけれど、その日は私が初めて担当。
野球道具を積んでグラウンドへ向かい、チームの集合場所へ行くと、保護者たちがワイワイと話していました。
「ゆうくん(保護者)、おはよう!」
「あつこちゃん(保護者)遅いから〜!」
えっ!? みんな、最初から名前で呼び合う感じなの?
初対面に近い保護者同士が下の名前で呼び合う光景は、私には驚きでした。
なぜみんなそんなに仲がいいの?
その距離感に少し気後れしながらも輪の外にいた私に、話しかけてくれたお母さんがいました。ちょっと雑談しているうちに、思わぬ事実が発覚。
「私たち、実は同級生なんだよ〜。みんな地元の小・中とずっと一緒で、子どもも自分の母校の小学校に通っててさ」
つまり、ここにいる保護者たちは、子どものころからの“野球仲間”だった人たち。
野球少年だったお父さんはコーチとして指導し、親同士で応援団のように支えているのです。すごい。
地元の絆
私はいわゆる“上京組”で、この地域に来てまだ数年。
そのため、地元に根ざした関係の濃密さに、最初は少し戸惑うこともありました。けれど、「地元にずっといるって、いいなぁ」と素直に思えたのです。
この地元ならではのコミュニティに慣れるには時間がかかるかもしれないけど、息子の「楽しい!」という気持ちを大事にしながら、私も少しずつ、馴染んでいけたらいいなと思ったのでした。
【体験者:40代・パート、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。