明るい息子の突然の変化
うちの息子は小学3年生で、いつも明るく元気。
学校から帰ってきたら、その日あったことを楽しそうに話してくれるのが日課でした。
ところが、ある日を境に急に無口になり、「別に」「普通だった」と言うだけ。
表情も曇っていて、何かを隠しているような違和感がありました。
学校で何かあったのかと思っても、本人は「なんでもない」と言い張ります。
普段のおしゃべりな息子とはあまりに違うその態度に、私はどんどん不安になっていきました。
ランドセルの中から出てきた“異物”
そんな漠然とした不安を抱えながら数日が経ったある日、ふとランドセルの中を整理しようとした時、底の方にぐちゃぐちゃになったプリントと一緒に、破れた手紙が何枚も出てきました。
それを見て、私は息をのみました。
そこには子どもの字で心をえぐるようなひどい言葉が並んでいたのです。
どうやら、クラスの何人かの子にいじめられていたようで、その手紙を息子はずっと黙って隠していたのです。
私がそれを見ていることに気づいた息子は泣きながら、「言ったらもっとやられると思って」と話してくれました。
学校と向き合う決意
すぐに学校に連絡をし、担任の先生との面談を申し込みました。
担任の先生も、まさかそのようなことが起きているとは想像していなかったようで、すぐに該当する子どもたちや保護者とも話し合いの場を設けてくれました。
最初は息子も不安そうでしたが、話し合いの場では自分の気持ちをきちんと伝えることができ、相手の子たちも真剣に話を聞き、反省している様子でした。
その後は少しずつですが、息子も元の明るさを取り戻し、学校の話もまたするようになりました。以前のように、学校での出来事を笑顔で話してくれるようになった息子の姿を見て、ようやく胸をなでおろしました。
“何も言わない”は“何もない”ではない
今回の件で、私は「何も言わない」ことが一番のサインだと気づきました。
子どもなりに我慢したり、気を使ったりしていることがあるのだと、改めて実感しました。
息子の変化にもっと早く気づいてあげられればよかったと反省しています。
でも今は、この経験を通して、彼が安心して気持ちを話せる、より安全な場所を家庭で作ることができたと思っています。
親として、しっかり受け止めて支えていきたいと感じました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。