勉強の習慣がない息子
小学5年生の息子に、勉強の習慣はまったくありません。
学校からは「学年×10+10分、つまり60分以上は自学しましょう」と言われているものの、わが家では宿題をするのが精一杯。
言い方を変えたり、時間を決めたり、おやつで釣ってみたり……。「勉強しなさい!」と叱った回数は100回と言っても過言ではありません。親の工夫もむなしく、彼のやる気が出るスイッチはどこにも見当たりません。
漢字テストの告知が、息子の心に火をつけた
そんな息子も高学年。最近宿題の量は少なくなり、自学の比重が増えてきました。
ところが、「宿題が減る=机に向かわない時間がさらに増える」という事態に。私も半ばあきらめモードで、「このままでどうするんだ」と嘆く日々。
ところが、ある日クラスで「漢字テストをするよ」と先生から告知がありました。範囲はプリント1枚分と明確。
これが息子の様子をガラリと変えたのです。
突然のやる気宣言
「これさ、満点取ってみたいんだよね」と、息子が言いました。
えっ、自学嫌いの息子が? と驚いているうちに、毎晩そのプリントを繰り返し解いています。
今までの「言われたことしかしない」姿とは明らかに違う。もしかしてこれが、噂の“やる気が出るスイッチ”?
テスト当日の驚きの結果と息子の変化
そしてテスト当日。
帰ってきた息子は開口一番、「テストってさ、出来すぎると手が止まらないんだよ!」と目を輝かせて報告してくれたのです。
結果は、……なんと98点!
私は「手が止まらないテストってすごい!」と大笑い。
息子はちょっと照れくさそうにしながらも、自信に満ちた顔をしていました。
がんばったから、できた
それ以来、息子は少しずつ机に向かうようになりました。毎日じゃなくても、ほんの10分でも。以前とは明らかに違います。
息子にとってのやる気が出るスイッチは、「範囲が決まっていて、努力が結果に直結する」漢字テストでした。
何が子どものやる気が出るスイッチになるかは、本当にわかりません。けれど、「やったらできた」が、何よりの原動力になったのでした。
【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。