「ちょっとお時間いいですか?」から始まる、終わらないクレーム電話。あまりに厳しい保護者対応に心が折れかけた保育士が、1年をどう乗り越えたのか? 友人が体験談を語ってくれました。
個性豊かな子どもたち、でも
保育士として働いて10年の私。
ある年、私はとあるクラスを受け持ちました。子どもたちは個性豊かでかわいさいっぱい。
でも、あまりにも細やかな指摘や要望をされる保護者が集まったクラスだったのです。
責められ続けた日々
「昨日うちの子が“おかわりできなかった”って言ってましたけど、どうしてですか?」
「先生に注意されて、保育園に行きたくないって言ってるんですけど!」
「お昼寝中に声をかけられて起きちゃったそうですね? ちゃんと寝かせてください!」
連絡帳には、毎日のように指摘や不満がびっしり。
電話では「ちょっとお時間いいですか?」から始まり、最終的には30分以上のクレームになることもザラ。
こちらは注意深く見守っていても、わずかな問題点すら見逃さないかのように“落ち度探し”をされているような気がしていました。
どんなに見守っていても
子ども同士のトラブルが起きたときも、
「喧嘩しないように見るのが保育士の仕事でしょう? うちの子、すごく傷ついてるんですけど」
……見ていなかったわけじゃない。でも、瞬時にすべてを止められるわけでもない。
電話が鳴るたび、「またか」と胸がざわつく毎日。帰り道は、自転車をこぎながら涙が止まらない日ばかりでした。