平和だったグループLINE
福祉サークルのグループLINEは、連絡事項や情報共有がメインの場でした。
参加しているのは思いやりのある中年女性ばかりで、言葉選びも丁寧。心地よい距離感が保たれており、私はこの空気がとても好きでした。
しかし、平和だったグループLINEが、“通知地獄”になったのは、Aさんが加わってからのこと。
深夜・早朝もおかまいなし!
あるときからサークルに参加したAさん。LINEの使い方は少し独特でした。
まるで自らのSNSを更新するかのように、心のつぶやきを四六時中送りつけてくるのです。
夜10時には「K選手の活躍、見ました? 私、大ファンなんです〜」。
昼には“今日のお昼ごはん”の写真と、『塩加減が絶妙すぎて泣けました』という謎の感想。
朝4時には「飼い猫が旅立ちました……」と長文のポエム。
さらには、サークル活動中に無断で撮ったメンバーの写真を「(笑)」とつけて共有。
最初は「親しみやすい人だな」と思っていたAさん。けれど、あまりにも頻繁で関係のないLINEに、私はスマホの通知音が鳴るたび、ため息をつくようになっていきました。
ついにルール制定。サークルの対応とは
どうやらそう感じていたのは私だけではなかったようで……。
後日、役員会から「グループLINEの運用について見直します」と連絡がありました。
ルールとして、投稿は原則9時~20時まで。
個人的な発信や雑談は控え、写真共有はしないように。
これまでのAさんの投稿を思えば、まさに“お達し”でした。
大人こそ気をつけたい、LINEマナー
便利なグループLINE。
けれど人数が増えれば増えるほど、使い方の温度差は出てきます。
子どものSNS活用の注意はよく聞きますが、大人もまた、デジタルツールを介したコミュニケーションにおいて配慮が求められます。特に多様な背景を持つ人々が集まるグループでは、情報の受け取り方は人それぞれであり、意図しない誤解や不快感を与えてしまうこともあります。
場を壊さないためにも、「親しみ」と「配慮」のバランスは大切だと、改めて感じた出来事でした。
【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。