これは筆者の夫との体験を通じて感じた話です。私たちの家では、夫が典型的な“出不精タイプ”で、平日は忙しい仕事に追われ、週末は家でのんびりと過ごすことが多かったです。そんな夫に、息子が少しずつ違和感を持ち始めたことをきっかけに、家族で過ごす時間の大切さに気づくことができました。息子の何気ない一言が、夫の価値観を変え、私たち家族の絆を深めるきっかけとなった出来事です。

うちの息子、ついに言っちゃった!

息子が4歳になった頃、私たちの家の週末はいつも決まって、夫が家でゴロゴロする時間でした。平日は忙しくて、せめて週末くらいは家でゆっくり過ごしたいという夫の言い分もわかるし、赤ちゃんの頃はそれが全く問題だとは思いませんでした。でも、息子が最近ちょっと違和感を感じ始めていることに気づきました。

ある日、息子がふとこんなことを言いました。「どうしてパパは休みの日はいつもゴロゴロしてるの?」

夫は苦笑いしながら、「パパはお仕事がんばってるから、休みはゆっくりしたいんだよ〜」と答えました。しかし、息子は静かに言葉を続けました。「AくんのパパもBちゃんのパパもお仕事してるけど、休みの日は家族で遊びに行ってるよ。僕もそんな楽しい休みが欲しいなぁ……」

その言葉に、夫の表情が一瞬で変わり、息子がしょんぼりしているのを見て胸が痛んだのでしょう。

まさかの提案!

翌日、夫から驚きの提案がありました。「よし、今日はみんなで海に行こうか!」 と言われ、私も息子も思わず驚きましたが、大喜びで準備を始めました。初めて「出かけよう」と言ってくれた夫の言葉に、息子は大はしゃぎで海へ向かいました。

波打ち際で遊ぶ息子の笑顔に、夫も自然と笑顔に。帰宅後、息子は嬉しそうに言いました。「パパ、今日はありがとう! すっごく楽しかった!」

その一言が、夫の心に何かを灯した瞬間でした。

変わった週末の過ごし方

翌週、夫から「今度は動物園に行こうか?」とまたお出かけの提案がありました。さらにその次の週には「大きな公園でお弁当持ってピクニックしよう!」というまさかの連続企画が続きました。

子どもの笑顔が大人を動かし、家族の時間がただの「イベント」ではなく、心の絆を深める大切な瞬間であることに気づきました。

家族の時間は大切な心の栄養

私たち親にとって、休息とは「何もしない時間」だけではないことに気づきました。大切なのは、誰と、どう過ごすか。息子の一言が、夫の価値観を変え、家族の時間を豊かにしてくれたことに感謝しています。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。