趣味は人生を豊かにする大切な要素です。しかし、家庭を持つ中で、そのバランスをどのように取るかは、多くの人にとって共通の課題ではないでしょうか。筆者自身、夫の趣味を快く受け入れたはずが、それが原因で夫婦間のすれ違いを生み、最終的に大きな話し合いに発展した経験があります。

毎日忙しい夫の仕事

私の夫は、平日あまり家にいません。

というのも、夫の仕事はなかなかの激務。朝6時前には家を出て、帰ってくるのは夜9時以降なんて日もしょっちゅう。

我が家には子どもが3人いますが、どの子が生まれた時点でも夫の仕事はそのように激務なので、私は必然的にワンオペで家事・育児をしてきました。

3人目が生まれた後

3人目が生まれた後のことです。

小さな子どもが3人いると、毎日目が回るような忙しさでした。

ワンオペで家事・育児をこなすのは大変でしたが、「やるしかない!」と自分に言い聞かせて、何とか毎日乗り越えていました。

そんなある日のこと、夫が「プラモデルのサークルが近くで活動してるんだって。入りたいな」と言い出しました。

夫の趣味はプラモデルの制作。「月1回くらい集まるだけみたいだから、入ってもいい?」と尋ねる夫に、私もそれくらいならと思い、「いいよ」と快く承諾したのです。

週末に遊びに行くように

しかし、いざサークルに入ると、夫は毎週と言っていいほど週末出かけて行くようになりました。

サークル全体での活動は月1回ではあるものの、やはり趣味が同じ人との交流は楽しいらしく、活動以外でも遊ぶようになったのです。夫にとっては、激務の平日の疲れを癒し、唯一の息抜きとなる大切な時間だったのかもしれません。

仕事で平日いないのは仕方ありません。しかし、仕事が休みの週末まで夫は家にいなくなってしまい、その間も家事・育児をこなし続けた私は、だんだんと気持ちが追いつめられていきました。

とうとうある日、私はサークルから帰って来た夫の前で号泣してしまいました。

仰天する夫を前に私は、「家事や育児を全部1人で抱え込むのは辛い。少しは手伝ってほしいし、土日くらい家にいてほしい」と涙ながらに訴えました。

私の号泣姿を見て、夫は自分の行いに考えるところがあった様子。私の言葉に真摯に耳を傾け、

「わかった。家事育児は手伝うし、休みの日はなるべく家にいるようにするよ」と約束してくれました。

その後の夫は……

その後、夫は積極的に家事・育児を手伝ってくれるようになりました。

平日は相変わらず忙しい日々ですが、週末は家にいて子どもと遊ぶように。率先して子どもの相手をしてくれたり、私の家事負担を減らしてくれたりしました。

サークル活動も月1回に絞り、家庭と趣味のバランスをうまくとって楽しんでいるようです。今回の出来事を通して、夫婦がお互いの気持ちを正直に伝え、理解し合うことの大切さを改めて実感しました。家族の笑顔のために、時には「我慢」ではなく「対話」を選ぶ勇気も必要だと感じています。

【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Junko.A
5歳、3歳、1歳の3人の子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。