大きな病気を経験した筆者。病気自体の治療も大変でしたが、以前のような日常生活を取り戻すのにも未だに苦労しています。これはちょっとした不注意で大きなトラブルに発展してしまった筆者のエピソードです。

手術後

私は約5年前に乳がんの手術をしました。
ステージは3B。リンパ節への転移もあったため、わきの下のリンパ節郭清(切除)も行いました。

リンパ節は、体内に入り込んだ細菌やウイルスなどの異物をせき止めて排除し、外敵から体を守る働きがあります。
私はそのリンパ節を切除してしまったため、手術をした側の腕はとてもむくみやすく、手術後に先生からは「ケガや傷には気を付けてね。」と言われていました。

虫刺され

去年の夏のこと。
猛暑で昼間動くことが億劫だった私は、朝の早い時間に起きて庭の手入れをしていました。
すると、何か所も蚊に刺されてしまい、腕はブツブツ状態。
すぐに薬を塗りましたが、とても痒くて大変でした。

それから2日後、手術をした側の腕が2倍以上に腫れてしまい、動かすのも痛い状態に!
すぐかかりつけの病院へ連絡をすると「すぐに来てください!」と言われ、受診することになったのです。

聞き慣れない病名

先生は私の手を見るなり「ケガしました?」と一言。
ケガはしていないと言うと、腕を見て「蚊に刺されてるじゃない!」と言いました。

診断結果は蜂窩織炎(ほうかしきえん)。
蜂窩織炎とは、皮膚の傷から皮下の脂肪組織などに細菌が侵入することによって引き起こされる病気のことです。
身近な細菌が原因となる感染症で、先生曰く、私の場合はリンパ浮腫によって循環が悪くなったところに細菌感染が起きたとのこと。
一気に炎症が広がり、皮下に大量のたんぱく質と水分がたまって固まってしまったため、腫れあがっていたことがわかりました。

教訓

点滴で症状は改善しましたが、重症の場合は敗血症で命を落とす危険もあるとのこと。
先生には「ケガだけじゃなくて、虫刺されにも注意しないとダメ!」と叱られてしまいました。

大きな病気をすると、以前のように動くことは危険が伴うんだなぁと実感した私。
ちょっとした不注意でとんでもない事態を招いてしまい、注意しなければいけないと強く思っています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。