子育ての正解は1つではないと頭ではわかっていても、つい「私の時代はこうだったのに」と思ってしまうこと、ありませんか? 今回は筆者の知人が、孫と接する中で【価値観や常識の変化】を実感したというエピソードをご紹介します。
甘やかしすぎじゃないの?
孫の拓也(仮名)が生まれて数年。
私はずっと、息子の妻A子さんの子育てに疑問を持っていました。
「個性を尊重したいんです」とA子さんはいつもにこやかに話しますが、私にはそれがただの甘やかしにしか思えなかったのです。
「本人が納得するまで待ちましょう」という彼女の姿勢を見るたび、「そんなことでは我慢できない子になるのでは?」と、私の心には苛立ちが募るばかり。
時代が違うと言われればそれまでですが、男の子なのだし、もう少し厳しく躾けるべきだと感じていました。
思わず出た厳しい一言
ある週末、休日出勤になった息子夫婦に頼まれ、私と拓也で近所の公園へ出かけた時のことです。
楽しそうに走り回っていた拓也が、ふとした拍子に躓いて転び、大きな声で泣き出しました。
見れば膝を少し擦りむいただけ。大した怪我ではありません。
「ほら見なさい。A子さんが甘やかすからだわ」と思った私は、つい強い口調で言い放ってしまいました。
「拓也、男の子なんだからメソメソしないの! 泣いてたら笑われちゃうわよ」と。