子供の頃、「全部食べたら毒だから」と言いながら、母は私の“最初のひと口”を当然のように奪っていきました。
楽しみにしていたはずの喜びは、その瞬間いつもすり抜けていくように消えていきました。
食べ物だけでなく、うれしさまでも先に持っていかれたあの感覚は、今も心に残っていたのですが……。
楽しみにしていたはずの喜びは、その瞬間いつもすり抜けていくように消えていきました。
食べ物だけでなく、うれしさまでも先に持っていかれたあの感覚は、今も心に残っていたのですが……。
悲しい思い出
「もう奪わせない」と心に誓いながら、私は母とは違う道を歩んでいます。
今も母は“最初のひと口”を当然のように求めてきて、その感覚が私にはどうしても理解できません。
だからこそ私は、子供には一番おいしい瞬間を最初に味わってほしいと、強く思うのです。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Illustrator:乙野
ltnライター:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。