嫁姑関係はお互いに気を遣ったり、悩んだりすることはありますよね。しかし、相手に遠慮しすぎるゆえに発生するトラブルもあります。
今回は、筆者の知人・B代が嫁に遠慮するあまり、自分の娯楽のために金銭的に頼られてしまったエピソードを紹介します。

息子夫婦に遠慮し、息子が築いた家庭に介入しないことを決意

私の知人・B代はシングルマザー。公立の学校で先生をしながら実の息子を立派に育てました。定年後は講師などのアルバイトをしてお小遣いを稼ぎつつ、趣味などもそれなりに楽しんでいました。そんなB代にも一つ悩みが……。息子は結婚願望があるものの、よいお相手になかなか巡り合うことができません。

愛息子が40代の半ばになった頃、「結婚したい相手がいる」と嬉しいお知らせが届きました。このとき、「最近のお嫁さんは姑に関与されることを好まないと聞くし、息子のためにも、息子と結婚してくれるC子さんのためにもあまり口出ししないようにしよう」と決めたそうです。

想定外にも、嫁のC子から多くのお誘い

B代の予想に反して、嫁のC子はいつも食事や小旅行に誘ってくれました。例えば、「秋にみんなで京都に紅葉を見に行きませんか?」「東北にステキな旅館ができたんですよ。B太さんと行ってみようと思っています。お義母さんもどうです?」と声をかけてくれます。

さらに、C子は実の娘のように接してくれ、二人だけの時間のお誘いも。ホテルのアフタヌーンティーやおしゃれな喫茶など女性同士だからこそ楽しめるステキな場所にも誘ってくれました。

嫁からの誘いがなくなったおどろきの理由

息子とC子と一緒に旅行などをエンジョイしていたB代。しかし、自身の体調に大きな変化があったわけでもないのに、突然にして誘われなくなりました。

そのきっかけは、ちょうどアルバイトを辞めた時期に、旅費などを各自で支払うことを提案したことでした。これまで、嫁であるC子への感謝の気持ちや誘ってくれる嬉しさから、アルバイト代で全員分の費用を負担していました。しかし、仕事を完全にリタイアし、収入が年金のみになるとそういうわけにもいかなくなったのです。

B代は温泉旅館の打ち合わせの席で「今の収入は年金だけ。旅費は自分たちで」と伝えると、C子はこのプランを保留にしました。以降も、息子はC子と旅行などに出かけているようですが、自分は誘われません。

息子にこの件をさりげなく聞いてみると、C子はB代がお会計を負担してくれるから誘ってくれていたことが分かりました。C子は「お義母さんも誘おうよ。お金出してくれるかもよ? 二人の方がいいけど、タダでいろんなところに行けるならいいじゃん」と、息子に話していたそうです。口数が少ない息子はC子に言われるままだったんだとか……。

その後、嫁のインスタを改めて見てみると、二人で行ったホテルのアフタヌーンティーの投稿では自分についてはいっさいふれられておらず、まるで一人で行ったかのような投稿だと感じました。また、三人で行った旅行についても「主人と旅行」と書かれており、自分はいないも同然の書き方。

これはB代の想像によるものですが、嫁は姑をお財布として連れて行き、自分の好きなことを楽しんだり、周囲に自慢したりしていたようなのです。

B代は「C子さんは若いからお給与も少ないし、いろいろお金もかかるでしょう。楽しみたいのよね」とこれらの言動を許している一方、息子の気持ちをいつか裏切るのではないかと不安で仕方がないようです。

【体験者:70代・主婦、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:太田あやこ
大学でジェンダーや女性史を学んだことをきっかけに、専業ライターとして活動中。自身の経験を活かしながら、幅広い情報収集を行い、読者に寄り添うスタイルを貫いている。社会の変化の中で、女性が直面する課題や選択肢に光を当て、より自由で豊かな生き方を模索する記事を執筆。人生の選択肢を広げるヒントを提供し、日々の悩みに少しでも明るさをもたらせるよう、前向きになれる記事づくりに取り組んでいる。