これは筆者自身の体験です。
ある日、4歳の息子が幼稚園のお友達Aちゃんを自宅に招いた際、小さなおもちゃをきっかけに大げんかが勃発。最初はただの子ども同士の言い合いと思っていたものの、親としての声かけや関わり方について深く考えさせられる出来事となりました。子どもの心をどう育てていくか、そのヒントをもらった一日でした。

ピンクの風船をめぐるバトル勃発!

ある日、4歳の息子の家に幼稚園のお友達Aちゃんが遊びに来てくれました。最初は笑い声が絶えず、「仲良く遊べてるな〜」と安心していたのですが、突然、2人の声のトーンが変わり始めました。
どうやら、ピンクの風船の取り合いになってしまったようです。私が「Aちゃんに貸してあげて」と息子に言っても、「イヤだ!」と泣き出す始末。Aちゃんのママも「人の物は勝手に使っちゃダメ」と声をかけてくれましたが、今度はAちゃんが大泣き。子ども同士の「かして!」「ダメ!」の応酬に、私たち大人もお手上げ状態に。

お互い譲れず、大人も冷や汗……

お互いに譲れない様子で泣き叫ぶ姿を見て、「どうしたらいいの……」と私も焦ってしまいました。思わず、「いつも遊んでるんだから貸してあげなよ」と言ってしまったものの、今思えば息子の気持ちに全く寄り添えていなかったなと反省。
見かねたAちゃんのママが「一旦帰って気持ちを落ち着かせよう」とAちゃんを連れて帰宅。静かになった部屋で、私は改めて息子とじっくり話をしました。

子どもたちと“気持ち”を伝え合う時間に

私は息子に、以前Aちゃんの家で遊ばせてもらった時のことを思い出させながら、
「Aちゃんの時は、ちゃんと貸してくれたでしょ? 今度はあなたの番だよ。お友達と仲良くするには、思いやりが大事なんだよ」と伝えました。
息子は涙をぬぐって、しばらく黙った後、小さく「わかった」とうなずいてくれました。子どもにも、考える時間と心の整理は必要なんですね。

仲直りできたことで気づいた大切なこと

30分ほどして、Aちゃんが戻ってきました。どうやら向こうでも親子でしっかり話をしてきたようです。
顔を合わせた瞬間、「さっきはごめんね」と自然に声をかけあった2人。その後は、まるで何事もなかったかのようにピンクの風船で遊びはじめました。
子どもってすごいなと思いました。小さな喧嘩も、ちゃんと話し合って、納得して、また笑い合える。それを見て私も、感情的にならず、子どもと向き合って気持ちを聞いてあげることの大切さに気づかされました。
子育てには正解がないけれど、心を育てるチャンスは日常にたくさんあるんだと実感した出来事でした。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。