日頃の練習の成果を披露する場です、先生も指導に熱が入るのでしょう。でも、それがあだとなってトラブルが……?
今回は筆者の友人から聞いた、習い事の先生とのエピソードをお届けします。
習い事の辞め時
私の友人A子は、娘をバレエ教室に通わせていました。
優しい先生の指導の下、5歳からレッスンに通い続け、小学校5年生になった年のことです。
娘は中学受験のための塾にも通っており、週末には模試やテストなどが頻繁に入るように。
宿題も多く、だんだんとバレエとの両立が難しい状況になってきました。
A子は悩みましたが、娘と相談し、3か月後に予定されている発表会を最後にバレエを辞める決断をしました。
優しい先生の豹変
A子はレッスン後のお迎えに行った際、先生に発表会を最後に退会したい旨を伝えました。
すると、いつも笑顔の優しい先生が、
「発表会はあなたの思い出作りの場所ではありません!!」
急に形相が変わり、声を荒らげたのです。
A子は驚きましたが、先生はなおも続けます。
「発表会に向けて私は本当に大変なんです! それを勝手に私物化しないで下さい!」
自分がいかに大変で頑張っているかを語り、最終的に、
「もっと私に感謝して下さい!!」
あまりの剣幕に何も言えなかったA子ですが、一旦その場を後にしました。
先生の心の中は
その出来事を娘に話し、娘も納得のもと、A子は発表会を待たずに娘を退会させました。
長年通い、信頼していた先生からのきつい言葉。
私、何か礼儀を欠くようなことしたかな......。
A子はしばらく落ち込んでいました。
先生はもしかしたら、A子の娘に辞めてほしくなくてつい強い口調で言ってしまったのかもしれません。しかし、本心は分かりません。
長年の信頼関係があっても、他者とのやり取りは難しいなと肌で感じた出来事でした。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:田辺詩織
元医療事務、コールセンター勤務の経験を持つ在宅ワーカー。文学部出身で、文章の力で人々を励ましたいという思いからライターの道へ。自身の出産を機に、育児ブログを立ち上げ、その経験を生かして執筆活動を開始。義実家や夫、ママ友との関係、乳幼児期から中学受験まで多岐にわたる子育ての悩みに寄り添い、読者が前向きになれるような記事を届けている。