初めてのお泊り保育、母の心は落ち着かず
息子の初めてのお泊り保育。
「泣いてないかな?」「おねしょしてないかな?」
心配で、私は一晩中ソワソワ。
やっと帰ってくる日、気が急いて少し早めに幼稚園に向かいました。
バスの扉が開いて
お迎えのバスが到着し、園児たちがぞろぞろと降りてきます。
みんな、走ってパパやママのもとに駆け寄ります。
息子は……?
バスの最後部席でぐっすり眠っていました。
先生がやさしく声をかけ、起こしてくれています。
目をこすりながらぽかんとした顔で降りてきた息子。
想像の斜め上を行く息子
私を見つけて「ママ~!」と走ってくるのかと思いきや──
「え~! もう帰ってきちゃったの~? ぼくもっとお泊りしたかったのに~!」
突然、大粒の涙を流して大泣き。
周りの子がママに甘えている中、うちの息子は「なんで迎えに来たの~?」と怒り出す始末。
嬉しいような、さみしいような
まさかの反応に周りのママたちもクスクス。
先生も「お泊り保育がよっぽど楽しかったんですね」と言ってくれました。
帰り道、息子が言いました。
「バスに乗ったから、次はどこに泊まるんだろう。と思ってワクワクしていた」と。
目が覚めたらいつもの園庭でがっかりしたようです。
息子の成長に嬉しい反面、ちょっぴりさみしくもあった私。
親の想像の斜め上をいく息子のたくましさに、成長を感じたお泊り保育でした。
【体験者:50代、筆者 回答時期:2025年7月】
本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。