「うちの息子は〜」にうんざり
結婚してからというもの、義実家へ行くたびに私は試されているような気分になります。
義母はとにかく「うちの息子は家事なんてしたことないのよ」「ちゃんとご飯作ってる?」「洗濯物は畳んであげてね」が口ぐせ。
最初は笑って受け流していましたが、だんだんモヤモヤが募っていきました。
特に義母が私に言った「妻なんだから夫の世話くらいきちんとしなさいよ」というひと言は、心にズンと刺さりました。
義実家に帰省、そして“地雷”発言
お正月の帰省で、親戚も集まりにぎやかな昼下がり。
皆で昼ご飯を食べながら談笑していた時、そこでまた例のセリフが飛び出します。
「A子さん、あなたちゃんと朝は早く起きて、息子のお弁当作ってるの? まさか、寝坊して作らないなんてことないわよね?」
その言い方に、私の中で何かが切れました。
もう黙っている理由はどこにもなかったのです。
A子の“家事リスト”で場が凍る
私は笑顔のまま、「そうですね、せっかくなので確認しましょうか」と言い、カバンからスマホを取り出しました。
そして開いたのは、夫との“家事分担表”。「ご飯作りは私、ゴミ出しは夫、洗濯は半々、掃除は週末に交代制」としっかり記録されたリストを見せながらこう言いました。
「お義母さん、今どき家事は“全部妻がやって当然”じゃなくて、ふたりで分担するのが“夫婦のかたち”なんです。だから私、息子さんに何も“世話”してないんですよ。お互いに協力し合って、より良い家庭を築くのが私たちのやり方なんです」
義父の爆笑と、義母の沈黙
一瞬場がシンと静まりましたが、すぐに義父が「おお、うちの息子もついにちゃんとした大人になったな!」と大笑い。
そのひと言に親戚たちも笑い出し、義母は口を真一文字に結んで「まぁ……時代ね」と言って黙りました。
その日以降、義母は私に息子の世話の話をしなくなりました。そして「うちでも夫にやらせようかしら」とつぶやいたのを私は聞き逃しませんでした。
言うべきことは、我慢しないで伝える。言い方さえ間違えなければ、関係はきっと変えられる。
そう実感した一日でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。