毎年恒例の庭プール。姉弟で楽しく水遊びしていたはずが、弟の友だちが連日訪れるうち、娘の様子に変化が……。友人が体験談を語ってくれました。

庭プール開き!

夏になると、わが家の庭には毎年ビニールプールが登場します。娘と息子は、姉弟一緒に水遊びを楽しむのが恒例行事。

今年もさっそくプールを出したところ、小学5年生の娘と4年生の息子は仲良く遊び始めました。

昼ごろになって、息子のお友だちがやってきました。プールで遊んでいる様子に気付き、お友だちも一緒に入ることに。

途中、様子を見つつ息子のお友だちに声をかけると「プールめっちゃ気持ちいい!」と元気な返事が返ってきて、私はうれしくなりました。

しかし娘は「私もう出る」と言い、水遊びを終わりにしたのです。

連日の来客に、庭は男子だらけ!

その翌日。

朝早くから、玄関に「プール入っていいですか〜?」という元気な声が。

私と息子は「いいよ〜」と快諾し、庭は1時間ほど賑やかな声に包まれていました。

そしてまた翌日も、元気な少年たちが「プール入りに来ました!」と笑顔でやって来たのです。

娘のつぶやきにハッとした母

そんなある日、娘がぽつりと言いました。

「私もプール入りたいのに、いつも弟の友だちが来るから入れないよ……」

その言葉に、私はハッとしました。

庭に響く男の子たちの声に押され、娘は遠慮して入れずにいたのです。まさかそんなふうに思っていたなんて、まったく気づきませんでした。

私が「一緒に入れば?」とプールに誘っても、「暑いからいい」「家でゲームしてるからいい」と断る娘は、本当は入りたかったのです。

「ごめんね。ママ、ちゃんと考えてなかった」

私は娘に謝りました。

お姉ちゃんだけのプールタイム

次の日、私は「今日はお姉ちゃんの時間だからね」と息子に話し、午前中は娘のためのプールタイムに決定。

娘はお友だちを誘い、小さな浮き輪や水鉄砲を持って庭に集合。キャッキャと笑いながら、水をかけ合って遊んでいました。

途中、娘が「弟も一緒に入れば?」と声をかけ、弟も仲間入り。さすがお姉ちゃん、やさしいです。

娘も息子も、まだ小学生とはいえ高学年。恥ずかしさも出てくるし、それぞれのお友だちがいます。「みんなで一緒に遊んだら?」は難しいお年ごろ。

これからは、娘と息子の遊び方を尊重したプール遊びにしようと思ったのでした。

【体験者:30代・主婦、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。