そして同じように、自分も親として成長しなくちゃいけないなと、筆者が改めて考えさせられる出来事がありました。
息子の希望通り、料理を作ることに
もうすぐ4歳になる私の息子は、工作や絵を描くなど、何かを作り出すのが好きな子でした。
テレビでお料理番組を見てからは、「お料理したい!」の一点張り。
そうして私は子ども用包丁を買い、一緒に料理をすることになったのですが……。
息子の初めての包丁に、もう心臓バクバク
私は心配で、包丁を持つ息子に手を添えたりするのですが、
「一人でやるの!」
と、息子は私の手を振り払おうとするのです。
不器用ながらも野菜を切る息子を見ていると、もう怖くてたまりませんでした。
「包丁は本当に危ないのよ!」
初めは優しく言っていましたが、息子は「自分でやりたい」気持ちが強く、全く話を聞いてくれません。
気が付くと叱りつけながら、一緒に作業を続けてしまったのです。
夫と話をして気付いたことが……
無事おかずは完成しましたが、息子は「ぼく一人でも出来たのに」と、やや不満気な顔。
私は心配し過ぎて、ドッと疲れてしまったものです。
その日の夜、夫と晩酌しながら話していると、
「今はなんでも一人でやってみたい年頃だよね」
そう夫に言われて、思わずハッとしたのです。
信じて見守ることは、子どもの自信と成長に繫がる。ママ、大反省です
私の両親は厳しい方で、「お前には出来ない」という言葉をよく言われていました。
そしてその言葉は呪いのようになっていて、未だに私は、自分のやることに自信が持てないことがあるのです。
「心配かもしれないけど、失敗しても、お前なら出来るって信じて欲しい」
私は両親に対して、常にそう思っていました。
そう思っていたはずなのに、私は息子の「やりたい」気持ちを阻止し、「出来ないだろう」と決めつけて、一緒に作業していたことに気付いたのです。
自分が親にされて嫌だったことを、そのまま息子にしてしまっていました。
ハサミも包丁も危ないけど、使い方を学ぶ過程で多少の失敗や小さな怪我から学ぶことだってあります。
もちろん安全には最大限配慮しますが、息子を「信じて見守る」ことも大切だと、大反省しました。
息子の成長と共に親も成長しないとなと、改めて思った出来事でした。
【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。