保育園は「可哀想」?
専業主婦だった義母は、私が育休を終えて仕事に復帰することを快く思っていませんでした。
会うたびに「子どもを保育園に預けるなんて、可哀想」「母親なら家にいるべきよ」と言われ、私の仕事も「どうせお茶汲みでしょ?」と、完全に見下されていました。
夫に相談しても「母さんも悪気はないんだよ」と繰り返すばかり。
ストレスはどんどん溜まっていく一方……。
まさかの抜き打ち訪問!
そんなある日、事件は起きました。
仕事中、突然受付からの内線が鳴り、告げられたのは「お母様がお見えです」という言葉。
常識的な実母がアポなしで来るはずがありません。
ということは……
嫌な予感は的中!
ロビーに立っていたのは案の定、義母でした。
「あなたが無理してないか、ちょっと職場を見ておこうと思って」とのことでしたが、それが明らかに上辺だけの理由なのは、一目でわかりました。
実際は、私の仕事を値踏みし、「ほら、やっぱり大したことない」という証拠を探しに来たのが透けて見えました。
颯爽と現れた助け舟
その瞬間、偶然通りかかったのが私の上司である女性部長。
「お義母様ですか? はじめまして」
一瞬ですべてを察した部長は、完璧な笑顔で切り出しました。
実は、私はワーママの先輩でもあるこの上司を昔から頼りにしていて、義母の愚痴も聞いてもらっていたのです。
「いつもA子さんを支えてくださり感謝します。彼女、うちの部署に欠かせないエースでして。先日のプロジェクトも彼女のリーダーシップで大成功し、今期の売上を大きく牽引してくれたんです!」
『エース』『売上牽引』……義母の中では「お茶汲み」のはずだった私の、全く知らない姿。
第三者からの圧倒的な評価を前に、義母は明らかに動揺。
「は、はぁ」と返すのが精いっぱいのようでした。
もう口出しはさせない
それ以来、義母が私の仕事に対して口出ししてくることは一切なくなりました。
あの日、私が直接反論しなくても、社会という広い土俵での第三者からの評価が、私を守ってくれたのです。
ただスカッとしただけでなく、自分の仕事に誇りを持てた、忘れられない出来事となりました。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。