「ちょっとだけなら大丈夫」と思ってしまうこと、子育て中の方なら一度は頭をよぎったことがあるかもしれません。でも、その少しの油断が大きな事故につながることもあります。筆者の知人A子の体験した出来事から、大人の判断の重さを改めて考えさせられました。
通りすがりに足が止まった理由
梅雨が明けたある日、買い物の前に駐車場を歩いていたときのことです。ふと目に入った車の中に、小さな子どもが2人、眠っているように見えました。
窓は閉めきられ、エンジン音がしていたので、おそらくエアコンはついていたのでしょう。でも、2人ともぴくりとも動かず、表情もはっきり見えません。どこか、胸がざわつくような違和感がありました。
「眠っているだけだよね」と自分に言い聞かせながら、一度はその場を離れました。けれど、気がかりな思いがぬぐえず、結局また車のそばに戻ってしまったのです。
通報すべきか、迷い続けた時間
しばらく車の近くで様子を見ましたが、大人が戻る気配はありません。5分ほどが過ぎても変化がなく、私はますます不安になりました。
「大げさすぎるかも」「余計なお節介だと思われるかもしれない」
そんな迷いが頭をよぎります。それでも、もし何かあったときに「見なかったことにした」と悔やむのは嫌でした。
私はついに覚悟を決め、店内のスタッフに状況を伝えることに。
通報するという判断が、こんなにも心に重くのしかかるとは思っていませんでした。