いつも優しい夫
Aさんは夫のとても優しいところに惹かれて結婚しました。夫は交際中も結婚後もいつでも「僕は何でもいいから君の好きにしていいよ」と言ってくれます。
そのためAさんは結婚式も新居も自分の好きに決めることができました。自分好みの結婚式ができ、自分で選んだ家具に囲まれてAさんは大満足。
「こんなに優しい夫はいないわ」と思っていたAさんは、幸せな結婚生活を送れることを信じていたのでした。
子育てが始まっても変わらぬ夫
優しい夫と結婚生活を始めたAさんは、しばらくして子どもを授かりました。初めての妊娠・出産はわからないことだらけでしたが、夫はいつも通り「君の好きにしていいよ」と言ってくれます。
そこでAさんは出産・育児本を読み漁ったり、ネットで調べたりして、自分の理想とする妊娠・出産をしました。カンガルーケアに自分で選んだかわいいベビードレス。Aさんの子育ては順調だったのです。
優しい夫がいて、子どもにも恵まれ、Aさんはとても幸せでした。
好きにしていいよって何?
子どもが育っても、夫は相変わらずAさんの意思を尊重してくれます。子どもに関することを相談しても「君の好きにしていいよ」と夫は言います。
以前なら夫の言葉を優しさだと捉えていたAさんでしたが、ある日気づいてしまいました。
夫の「君の好きにしていいよ」は、Aさんを尊重してくれているのではありません。夫は考えることを放棄してすべてAさんに押しつけているのです。そのことに気づいた途端、Aさんは夫が優しく素敵な人だとは思えなくなってしまいました。
私はあなたと一緒に考えたかった
Aさんは自分の思い通りにしたかったのではありません。本当はこれまでずっと2人で考えたかったのです。Aさんは夫に自分の思いをぶつけることにしました。
A「好きにしていいよと言ってくれるけど、私はあなたと一緒に考えたいの」
夫はAさんに謝ってくれ、自分の意思を伝えるのは苦手なタイプだと告白してくれました。ですが、夫はAさんが思いを伝えてから努力してくれました。
まだ「好きにしていいよ」と言ってしまいそうになるときもありますが、少しずつ一緒に考えてくれるようになったのです。本当の思いを伝えたことで、Aさんは理想の夫婦に一歩近づくことができました。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。