今回は、筆者が近所のスーパーで出会った“謎のマダム”の話です。気さくで上品に見えたその人が放ったひと言に絶句。思いがけない目的が明らかになったとき、背筋にひやりとした感覚が走りました。
感じのいい常連マダム
私が通う近所のスーパーは、価格も手頃で通路も広く、いつも賑わっています。
カートは100円玉を入れて使うロック式。そんなカート置き場で、ひときわ目立つ上品なマダムを見かけました。
いつも誰かと楽しげに会話していて、感じのいい人だなと目を引きました。
地元の常連さんかな。そんなふうに思いながら、私は少しずつ存在が気になっていったのです。
マダムからのお願いごと
ある日、買い物を終えてカートを返そうとした私に、あのマダムが笑顔で話しかけてきました。
「あたくし、お札しか持ちませんの。あなたの使い終わった100円玉、ちょっといただけないかしら?」
あまりの図々しさに絶句しましたが、まさかそんなことを言われるとは思わず、とっさに言葉が出ませんでした。その場の空気に流されるように渡してしまいました。