隣人
5年ほど前に隣に引っ越してきた若い夫婦。
最初の頃は世間話こそしていたものの、友人たちを呼んでは夜通しドンチャン騒ぎをしたり、夜中に大声で夫婦喧嘩をしたりとお騒がせな人たちだったため、私たち家族は距離を置いたお付き合いをしていました。
あるとき、夫が駐車場で冬用タイヤに交換をしていると、いきなり隣家の奥さんが「え? 自分でできるんですか?」と声をかけて来ました。
夫は元整備士だったため、「はい。」と答えると、「うちのもお願いできないですか~?」と言ってきたのです。
嫌がらせ
しかし、隣家の車は大型のミニバン。
夫が「すみません、無理です。車大きいし。スタンドとかでお願いした方が良いんじゃないですか?」と言うと、あからさまにムッとした顔をして「ケチ!」と言われたのです。
それからというもの、車庫の中にゴミが投げ捨てられていたり、回覧板をうちにだけ回さなかったりと嫌がらせが続きました。
夫も嫌がらせに気が付いていたため、「防犯カメラつけるか!」と言い出し、車庫が見える位置に防犯カメラを設置することにしたのです。
証拠
するとある朝、またしても大量のゴミが投げ込まれていたため、防犯カメラを確認。
映像には隣の奥さんがゴミをポンポンと投げ入れている様子がバッチリと映っていました。
夫は知り合いの弁護士に相談し、さまざまな罪に該当することを確認。
隣家の夫婦が揃っているときに、話をしに行きました。
証拠があるにもかかわらず、「知らない!」と言い張る奥さん。
夫は「認めて謝ってくれればと思っていましたが、そこまで否定するなら弁護士に相談します。」と言い、帰ろうとしました。
しかし、弁護士という言葉にビビった旦那さんが「すみません! 僕からも注意しますので!」と平謝り。
それでも奥さんは知らん顔でムッとしていました。
常識
それからというもの、ゴミの投げ入れはなくなりましたが、隣家の夫婦喧嘩の数は増え、夜中の大声は未だに続いています。
夫は「あの奥さんなら、喧嘩しちゃう旦那さんにも納得できるね。」と苦笑い。
今回の出来事を通じて、話の通じない人との関係においては、適切な距離を保つことの重要性を強く感じました。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。